WBC1次ラウンド敗退の韓国 監督の嘆きとは裏腹に時代の転換期へ
選手たちは「実力差」と話すも
第1回WBCから参加しているオ・スンファン。今大会でも好投したが、世代交代の遅れが明らかに 【Getty Images】
格下と見ていたが実は高い戦力を誇ったイスラエルに敗れ、強豪オランダに及ばなかった韓国。この2つの敗戦はオ・ジェウォンが言う通り「実力差」だろう。ただこれまでの韓国の象徴とも言える「勝利への執念」の物足りなさを、キム監督をはじめ多くの韓国国民は感じたようだ。
オ・ジェウォンは代表選手に向けられる視線について、「これまでの成績が良かったから、負けた今回への反動が大きいのではないか」と言い、「自国でのホームゲームで負けたことで、東京ドームでのプレミア12(2015年11月)で日本選手が韓国に逆転負けしてがっかりしていた姿と今の自分たちが重なった。初めて代表入りした選手には重荷を背負わせてしまって申し訳ない」と話した。
「監督、選手とも世代交代が必要」
8−8の同点で迎えた9回裏、無死2塁のピンチでマウンドに上がったオ・スンファン(34歳)が台湾打線を封じ込めた。そして延長10回表、韓国は1点をリードした後、代打のキム・テギュン(34歳)が試合を決定づける2ランを放ち、勝利を手にした。同年齢のオ・スンファンとキム・テギュンはともに23歳の時に第1回WBCで初めて代表入りし、以来4大会続けて韓国国旗を背負ってきた。2人は後輩たちに「次回大会出場」という置き土産を残した。
キム監督は台湾戦の試合後、「韓国の最近の指導者たちは実力があるのに、プレッシャーを感じて代表監督をやりたがらない。今年は24歳以下の大会(11月のアジア プロ野球チャンピオンシップ)があり、この先も毎年国際大会がある。監督、選手とも世代交代が必要だ」と話した。そして「今回初めて代表入りした選手は、感じたことを今後に生かしてほしい」と付け加えた。
韓国代表の今大会での1次ラウンド敗退。それは韓国代表チームが転換期を迎えていることを明確にした。