小林祐希、オールラウンダーへと進化? 蘭のトレンドはカメレオンのようなMF
「攻撃を改善すれば守備が、守備を改善すれば攻撃がよくなる」
小林本人も「気持ち良かった」と語るフローニンゲン戦でのプレーとは? 【Getty Images】
フローニンゲンのセントラルMF(ジュニーニョ・バクーナ)と右サイドハーフ(シモン・ティブリング)に対し、小林が“1対2”になる場面も多かった。後半になると、小林が守備で数的不利になることはなかったが、ハーフタイムに守備の修正を施したのだろうか? 小林はこう説明する。
「守備を修正したのではなくて、攻撃で修正したら守備もハマったという感じです。俺はボールを受けられなくてもいいから前に行って、うちのCB2人とトルスビー(小林とコンビを組むセントラルMF)が相手の2トップに対して“3対2”の形を作った。そして俺が相手(バクーナ)に付いた。攻撃で自分たちが高い位置を取れば、相手も下がらざるを得ないから、一方的な展開になった。攻撃を改善すれば守備が、守備を改善すれば攻撃がよくなる。サッカーはそういうものだと思います」
「気持ち良かった」と語るフローニンゲン戦でのプレー
オランダに来てからの小林の特徴的な動きは、フローニンゲン戦の17分と88分のプレーに見られる。
17分、GKのエルビン・ムルダーからボールを受けた小林が、相手マークを剥がして、バイカー、レザ・ゴーチャネジハドとワンツーでボールを前に運び、アタッキングゾーンで味方のサポートをする。その攻撃は右SBマルゾのクロスから、FWアルベル・ゼネリのボレーシュートで終わった。ビルドアップから攻撃の起点となった小林は「それはもう自分のイメージ通りに進んだから、あの一瞬はすごく気持ちが良かったです」と振り返る。
88分、トルスビーが自陣でボールを失い、フローニンゲンの左サイドハーフ、ブライアン・リンセンがキレのあるドリブルでCBをかわしてペナルティーエリアに侵入した場面。危機を察知した小林は20メートルほどのスプリントでカバーに入り、体を張った守備でピンチを防いだ。
オランダでコネクティングMF、アンカー、セントラルMFを務め、AZ戦の終盤はCBもこなした小林。もしかしたら、彼はオランダのトレンドである“オールラウンダーなMF”に進化していくのかもしれない。