吉田麻也が評価と期待を高めた3つの理由 「このチャンスを長いこと待っていた」
プレミア加入以来、最も飛躍を予感させるシーズンに
公式戦8試合連続で先発フル出場と、吉田麻也が存在感を高めている 【写真:ロイター/アフロ】
12月31日(現地時間)のプレミアリーグ第19節・WBA戦から、1月25日のリーグカップ準決勝セカンドレグ・リバプール戦まで、公式戦8試合連続で先発フル出場。リバプールとのリーグ杯では、ホーム&アウェーの2試合を共に1−0の無失点に抑え、クラブ史上38年ぶりとなるファイナルへと導いた。
この2試合における吉田の現地評価は高く、セカンドレグ終了後にはクラブOBで解説者のマット・ル・ティシエが、「クラブ年間最優秀選手のフィルジル・ファン・ダイクをけがで欠いたが、彼の話をする必要はない。吉田麻也と(代役の)ジャック・スティーブンスが素晴らしい仕事をした」と、吉田を名指しで称賛した。1月22日にホームで行われたレスター戦のマッチプログラムでも表紙を飾り、8ページにわたってインタビュー記事が掲載されるなど、吉田はクラブ内外で評価と期待を高めているのだ。
吉田が表紙を飾ったサウサンプトンvs.レスターのマッチプログラム。精かんな顔つきが印象的だ 【田嶋コウスケ】
ところがふたを開けてみると、プレミア加入以来、吉田は最も飛躍を予感させるシーズンを過ごしている。その理由を大きく分ければ、今季から指揮を執るクロード・ピュエル監督の起用法、吉田自身の成長、チーム内の状況変化の3点が挙げられるだろう。
指揮官の起用法が追い風に
試合数が増えたことでピュエル監督(中央)は積極的にローテーションを採用。吉田には週1回のペースで出番が回ってきた 【写真:ロイター/アフロ】
「欧州リーグ(EL)やリーグ杯があり、コンスタントに試合に出ているので、フィーリングがよくなってきている。良い状態が続いているのと、監督が公平にチャンスをくれているというのが、昨季との大きな違いです。
(昨季までのように)試合に出ていなくて、たまに出るサイクルのときは、自信(がなく)、感覚、判断がよくなく、(動きが)遅れるときもあったんですけれど、今は試合勘がすごく良い。身体が自動的に動くし、良いフィーリングかなと思います」
EL参戦に伴い、今季前半戦のサウサンプトンは、プレミア、リーグ杯の3大会を同時進行で戦った。試合数が増えたことで、ピュエル監督は積極的にローテーションを採用。吉田もその一員として稼働し、週1回のペースで確実に出番を与えられた。事実、EL(6試合)とリーグ杯(5試合)では、全試合で先発フル出場を果たしている。昨季終盤に「ベンチにいては成長するのが難しい」と漏らしていたが、継続的に試合に出場することで試合勘を研ぎ澄まし、好パフォーマンスにつなげたのだ。