AJC杯必勝法は“4角2番手以内を取れ!?” 過去10年データから馬券攻略

JRA-VANデータラボ

AJC杯出走馬の前走レース別成績(過去10年)

【表3】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表3ではAJC杯出走馬の前走レース別成績を示した。好ステップは有馬記念。出走頭数こそ中山金杯に及ばないが、好走率ははるかに高い。さすがにG1組だけあって、その実力は評価すべきだろう。ただし、今年の出走予定馬には同組が不在となっている。

 主要ステップは先ほど述べたように中山金杯組。全体的な回収率は良くないが、決して人気馬ばかりが来ているわけではない。同時に中山金杯で5着以下に敗れていた馬が3頭も巻き返している。普通はG3のハンデ戦で敗れている馬が、別定G2で巻き返しやすいということはないはずだが、このレースでは例外にあたる。そうしたことが起きるので注意だ。

 あとはステイヤーズSやディセンバーSといった前年暮れの中山のレースから好走を果たしている。1600万クラスからもマツリダゴッホが、前走クリスマスCから勝利を果たしている。金鯱賞や中日新聞杯、福島記念といった比較的近い時期の重賞からの好走馬が多く、休み明けよりは順調に使われている馬を重視すべきだろう。ただし、前走G1組は別。天皇賞秋や菊花賞から好走を果たしている馬がいる。

AJC杯出走予定馬

【表4】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

【結論】
 それでは今年のAJC杯を展望してみよう。出走予定馬は表4の通り。

 前述の通り、今年は前走有馬記念出走馬がいない。それに伴い人気面でもやや混戦と予想する。それでも前走比較的好着順で、実績がある馬が上位人気に支持されるはず。過去に神戸新聞杯勝ちがあるリアファルや、セントライト記念で2着の実績があるゼーヴィントあたりが有力か。

 シングウィズジョイは前走エリザベス女王杯が人気薄での激走だったため、ここではどうなるか。この3頭は前走で4角前々の競馬をしており、今回もそのような立ち回りをしてくる可能性は十分ある。ただ、他にも前に行きたい馬はいる。クラリティスカイミライヘノツバサは、前走前々の立ち回りで好走を果たしている。

 あとは、前走着順は悪いがクリールカイザー。15年のこのレースの勝ち馬で、前走は逃げの手。明け8歳馬ではあるが先行力は衰えていない。このレースの8歳馬の成績は【0.4.1.10】。勝利こそないが、連対率はかなり優秀だ。ライバルに先行馬が多いが、今回も逃げることができれば、4角2番手以内のポジションを取れる可能性がかなり高いのではないだろうか。同馬を連軸として注目してみたい。

 実際には枠順が決定してからの判断となるが、リアファルやゼーヴィントを相手本線に。シングウィズジョイやクラリティスカイ、ミライヘノツバサあたりをヒモ候補として考えてみたい。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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