【新日本プロレス】IWGP王者オカダが45分超え死闘でオメガを粉砕 内藤が棚橋超えで防衛「一つの時代が終わった」

高木裕美

凱旋・高橋ヒロムがIWGPジュニア奪取

凱旋帰国から初の挑戦でいきなりIWGPジュニアを奪取した高橋ヒロム 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 IWGPジュニア選手権試合では、“TIME BOMB”として凱旋帰国した高橋ヒロムが王者KUSHIDAからいきなり王座を奪取した。
 時限爆弾の爆発音と共にステージ上に飛び出すド派手な演出で登場したヒロムは、開始早々、KUSHIDAを場外へのパワーボムで場外マットに打ちつけると、苦悶の表情を浮かべるKUSHIDAを「大丈夫か」と挑発。さらにジャーマンスープレックス2連発、飛びつき式のティヘラ、コーナーからのセントーンスイシーダなどを繰り出すと、KUSHIDAもホバーボードロックで捕獲するが、ヒロムはパワーを生かし、担いで切り返す。

必殺TIME BOMBでKUSHIDAに完勝

必殺のTIME BOMBでKUSHIDAに完勝 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 なおもヒロムは雪崩式のカサドーラで脳天からマットに突き刺すと、必殺のTIME BOMBで完勝。「最高だよ。夢にまで見た瞬間だよ。オレは本当に幸せものだよ」と笑みを浮かべたヒロムは、「もっと新しい敵、もっと色々な選手、来てくれよ。もっとオレを楽しませてくれよ」とさらに強い挑戦者の登場を呼びかけた。

“大泥棒”矢野がGHCタッグ奪取

まんまとGHCタッグ王座の奪取に成功した矢野 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 3WAYマッチに変更されたIWGPタッグ選手権試合では、矢野通&石井智宏組がまさかの大逆転勝利。“崇高なる大泥棒”が、本当にタッグ王座を奪い取ってしまった。当初は王者組のタマ・トンガ&タンガ・ロア組、昨年末の「WORLD TAG LEAGUE 2016」覇者の真壁刀義&本間朋晃組で争われる予定だったが、矢野が「X」として参戦表明。トンガ組のベルト、真壁組の優勝カップを強奪し、実力行使で3WAYマッチに変更させた。

 試合でも矢野はやりたい放題。石井への合体ブレーンバスターを狙うトンガ組に背後から急所攻撃を見舞うと、石井のダブルラリアットのアシストを受け、タンガを丸め込んで3カウントを奪取。試合後はタッグベルトだけではなく、ちゃっかり2本の優勝トロフィーまで我が物顔で持ち去ると、「戦前の予想通り、あるべき場所に、あるべき物が、しっかりと4つも戻ってきました」と高笑いを浮かべた。

コールがROH王座返り咲き

オライリーを破りROH王座に返り咲いたコール 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 ROH世界選手権試合では、前王者のアダム・コールがカイル・オライリーを破り王座返り咲き。長きに渡りライバル関係の続く両者だが、コールがトラースキック3連発から必殺技のラスト・ショットで王座を奪回し、3度目の戴冠に成功したことで、「自分自身がこの新日本を征服できるか試したい」と語った。

LIJ軍が6人タッグ王座を戴冠

NEVER6人タッグ王座奪取でLIJには5本のベルトが並ぶ 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 4チーム参加のガントレットマッチ形式で争われたNEVER無差別級6人タッグ王座戦は、SANADA&EVIL&BUSHIのLIJ軍が王座初戴冠。小島聡&リコシェ&デビッド・フィンレーの王者組の猛攻にあいながらも、BUSHIの毒霧噴射からEVILの必殺技EVILにつなげて小島をフォール。だが、BUSHIは「オレたち3人の実力を試すにはちょうどいいベルト。誰でもいいよ」と、このベルトを踏み台にすると言い放った。

ロメロが7度目のジュニアタッグ戴冠

7度目のIWGPジュニアタッグ王座戴冠となったロメロ 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 IWGPジュニアタッグ選手権試合では、ロッキー・ロメロ&バレッタの六本木ヴァイスが、マット・ジャクソン&ニック・ジャクソンのヤングバックスを破り王座返り咲き。終始優勢のヤングバックスが必殺技のモアバング4ユアバックでトドメを狙うも、バレッタのアシストからロメロがマットを十字架固めで丸め込んで大逆転勝利。個人としては7度目、バレッタとのコンビでは3度目の同王座戴冠を果たしたロメロは、「オレたちが世界最強だ」と勝ち誇った。

新日本マット初上陸Codyが完勝

元WWEのコーディ・ローデス改めCodyが新日本初上陸 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 元WWEスーパースターのコーディ・ローデス改め“The American Nightmare”Codyが新日本マット初上陸。父親が往年の名スター、ダスティ・ローデス、兄がゴールダストというCodyは、父ダスティを師と仰ぐジュース・ロビンソンを相手に、確かなレスリングテクニックを披露。アメリカン・ナイトメア(変型足4の字固め)で苦しめると、クロスローズ(変形ネックブリーカー)で完勝。「今日のドームでは電気が走るような試合ができた。新日本とは長い関係性が築けると思っている」と、バレットクラブの一員として、今後の継続参戦を熱望した。

「タイガーマスクW」がドームに登場

東京ドームでアニメのような華麗なファイトを見せたタイガーマスクW 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 第1試合では、テレビアニメ「タイガーマスクW」のスペシャルマッチとして、10.10両国国技館大会に出場したタイガーマスクWが、タイガー・ザ・ダークと対戦。アニメで高岡春奈を演じる声優の三森すずこさんと共に入場したタイガーWは、場外へのムーンサルトアタック、キックのコンビネーション、その場飛びムーンサルトなどの、某選手を彷彿とさせるムーブを炸裂。ダークもダークネスホールド、ダークネスドライバーなどの大技を繰り出すが、タイガーWがジャーマンスープレックス、タイガースープレックス、シットダウン式変形ラストライドでフィニッシュを決め、観客の大歓声を浴びた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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