【新日本プロレス】IWGP王者オカダが45分超え死闘でオメガを粉砕 内藤が棚橋超えで防衛「一つの時代が終わった」

高木裕美

ケニー・オメガとの45分を超える死闘を制しIWGPヘビー級王座を死守したオカダ・カズチカ 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 毎年恒例の新日本プロレス1.4東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドーム」では、8大タイトルマッチなどが行われ、2万6192人を動員した。
 メインイベントのIWGPヘビー級選手権では、王者オカダ・カズチカが、昨年の「G1 CLIMAX」覇者ケニー・オメガを退け、2度目の防衛に成功。45分を超える、ドーム史に残る死闘を制し、2年連続でドームのメインを勝利で飾ったオカダは、「オレが新日本プロレスを背負っている限り、新日本プロレスに金の雨が降るぞ!」と絶叫した。

前哨戦で再三に渡りオカダを襲撃したオメガ

【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 オメガは25年に及ぶG1の歴史の中で初めて、外国人として優勝を達成。その勢いで、06年のブロック・レスナー以来11年ぶりに、外国人選手としてドームのメインイベンターの座を手に入れた。
 IWGP初戴冠を狙うオメガは、前哨戦で再三に渡りオカダを襲撃。2016年最終戦となった昨年12.17後楽園大会では、まさかの断崖式の机上への片翼の天使を繰り出し、王者の首を破壊した。

【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 前日の会見で、オメガへのリベンジを予告していたオカダは、自らリング下のテーブルを取り出すと、鉄柵越えのフライングボディーアタック。なおも復讐の機会を伺うが、オメガも「ターミネーター」のリズムから場外へのノータッチトペ、鉄柵越えのラ・ケブラーダなど、ドームならではの巨大空間を駆使した危険技で対抗。場外マットの上に倒れこんだオカダは、テーブルへのダイビングフットスタンプでさらなるダメージを負ってしまう。

【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 しかし、30分過ぎ、オカダはショルダースルーでトップロープの外まで吹っ飛ばすと、オメガは場外のテーブルに背中から落下。それでもオメガは雪崩式のドラゴンスープレックス、リバースフランケンシュタイナーなどの大技を繰り出すと、39分過ぎ、ついにオカダがレインメーカーを炸裂。しかし、カウントは2。

最後はレインメーカで46分死闘にケリ

【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 40分を過ぎても両者のスピードは衰えず。オカダがジョン・ウーでオメガをコーナーまで吹っ飛ばせば、オメガも両足をロックした状態でのツームストンパイルドライバー。45分過ぎ、オメガが腕をつかんだままレインメーカー式のVトリガーから片翼の天使を狙う。だが、これまでこの技だけは徹底的に阻止してきたオカダは、これもツームストンに切り返すと、狙いすましたレインメーカー一閃。試合時間・試合内容とも未体験の領域に突入した「死ぬかと思うような試合」を制し、至宝とエースの座を守り抜いた。

「歴史の中で一番強い外国人」とオメガを称賛

【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 オメガを「新日本プロレスの今までの歴史の中で一番強い外国人選手」と認めたオカダは、「それでも新日本を動かしていくという覚悟はオレが上回った。今年も世界中に新日本プロレスを広めて、新日本をもっともっと大きくしていく」と、7月の1日&2日に開催が発表されたアメリカ・ロサンゼルス大会をはじめ、日本中、そして世界中に金の雨を降らせると宣言した。
 一方、敗れたオメガは「今日は負けてしまったけど、とても誇らしい思いでいっぱいだ」と、オカダへの敬意を表しつつも、「再戦の機会があれば絶対に負けない。負けたとは思っていない」とリベンジを誓った。

【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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