有馬記念、西の有力2頭に勝機あり! サウンズ&シュヴァル 指揮官の本音
「ハーツクライの成長力」シュヴァルグラン
シュヴァルグラン(右から2頭目・青帽)は今年の天皇賞・春で3着、この好走が陣営の自信となった 【netkeiba.com】
「秋の方が楽しみだね。一夏越してジャパンカップと有馬記念という大レースがあるから。本当は、秋はオーストラリアに遠征しようかという話もあったんです。天皇賞前は8:2くらいでコーフィールドカップからメルボルンカップというプランを考えていたんですが、天皇賞・春3着で日本でも十分やれる手応えを掴み、遠征プランはなくなりました。それだけ天皇賞・春は確信を持ったレースでした」
今や日本競馬は世界トップクラスと言われている。初めての古馬一線級、初めて背負った58kgの斤量。そこで見せた走りに指揮官はこれまで以上の期待を持った。
元々はクラシック戦線に乗せたい馬だった。しかし若駒Sを挫石で取り消し、毎日杯、京都新聞杯でもクラシックへの出走権を取ることができず、早めの夏休みに入った。8月末、休養明け初戦で2着にくると、その後はクラスが上がりながらも今年の阪神大賞典まで6戦すべてで連対した。
ここ目標に友道調教師も納得の状態に仕上がった 【netkeiba.com】
早くから完成していた姉ヴィルシーナとは違う同馬の魅力を友道師はそう話した。
父ハーツクライは日本馬で唯一、ディープインパクトに勝った馬。その舞台こそが暮れの有馬記念だった。当時絶大な人気と、武豊騎手が「飛ぶ」と表現するほど軽くて鋭い末脚をもっていたディープインパクト。
今年、ファン投票1位のキタサンブラックは、GI勝利の翌日には朝のワイドショーでも取り上げられるほどで、その人気ぶりはディープインパクトと重なる。そして鞍上は武豊騎手。
ハーツクライの息子が、父の再現をするのだろうか。そんな場面に向け、状態は上向いている。
「ここを目標にしてきたので、やりすぎのちょっと手前ギリギリのところまでやっています。これでしばらく休養に入りますしね」
輸送で思ったほど馬体重が減らず+8kgでの出走となった前走ジャパンカップとは違い、目一杯での仕上げで大一番に臨む。
キタサンブラックのオーナーが北島三郎氏なら、シュヴァルグランのオーナーは大魔神こと佐々木主浩氏。
「デキだけじゃないGIの壁があるのかもしれない」(友道師)というその壁を様々な後押しで乗り越えられるか。