【東京愚連隊】74歳マスカラスが華麗なる飛翔で王座防衛 NOSAWA論議「レジェンドを独り占めする」

高木裕美

合計369歳のレジェンドタッグが実現

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、船木誠勝&ドリー・ファンクJr.&ザ・グレート・カブキ組vs.チャボ・ゲレロ&藤原喜明&西村修組という、合計369歳、平均61.5歳の6人タッグが実現。67歳の藤原が75歳のドリーにパンチを打ち込むと、場内からは大ブーイング。ドリーは67歳のチャボにエルボーを打ち込み、藤原が68歳のカブキに頭突き。

ドリーのスピニングトーホールド炸裂

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 47歳の船木vs.藤原の師弟対決では、藤原が伝家の宝刀ワキ固め。すると、45歳の西村も師匠ドリーに掟破りの逆スピニングトーホールドから足4の字固めを仕掛けるが、ドリーが切り返して本家スピニングトーホールドでギブアップを奪い取った。
 試合後、ドリーはリング上から日本のファンに感謝。船木とカブキがロープを開けて、生ける伝説に敬意を表した。

望月が東京世界ヘビー級王座V2

東京世界ヘビー級王者・望月成晃は、鈴木鼓太郎を退け2度目の防衛に成功 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 東京世界ヘビー級王者・望月成晃は、鈴木鼓太郎を退け2度目の防衛に成功した。両者は全日本プロレスのジュニアヘビー級リーグ戦「Jr.BATTLE OF GLORY」優勝戦となった14年2.16博多で対戦し、鼓太郎が優勝。約2年9カ月ぶりの再戦で、鼓太郎はドラゴンスクリュー、アトミックドロップ、足4の字固めでヒザを攻め立てると、望月のキック、鼓太郎のエルボーの打ち合いへ。

 望月はハイキック、ツイスターを返され、三角蹴りも阻止される苦しい展開に。だが、鼓太郎のブルーディスティニーをカウント2でクリアすると、エンドレスワルツを切り返して丸め込み、3カウントを奪い取った。
「自分のスタイルを捨てても勝ちたかった」と薄氷の勝利を振り返った望月は、「次はロッキー川村、来い!」と次期挑戦者を自ら指名した。

ディック東郷&獅龍組がICタッグ奪取

東京ICタッグ王座を奪取したディック東郷&獅龍組 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 東京IC(インターコンチネンタル)タッグ選手権試合では、ディック東郷&獅龍組が佐藤光留&ロッキー川村組から王座を奪取した。
 ボクシングスタイルで攻める川村に、東郷はアリキックで対抗。東郷と獅龍が同時にトペコンヒーロを決め場内を沸かせると、さらに獅龍のトペアトミコ、東郷のシルバーブレッドの競演も。川村はパンチで一発逆転を狙うが、味方の佐藤に誤爆。すかさず獅龍がハンドスプリングキック、東郷がペディグリーからのダイビングセントーンとたたみかけて勝利。かつては海援隊として世界を股にかけて活躍した2人が、このタッグでは初となるタイトルを獲得した。

CIMAが無期限海外遠征の菊タローにエール

12月から無期限の海外遠征に旅立つ菊タローことKIKUZAWAはトランプ新大統領に戦々恐々 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 40歳を迎えたのを機に、12月から無期限の海外遠征に旅立つ菊タローは2試合に出場。第1試合では食いしんぼう仮面と組んで、百田光雄&力の親子タッグと対戦した。百田を「ジジイ」呼ばわりし、力とは奇声を張り上げてのチョップ合戦を展開すると、食いしんぼう仮面とも息の合った連係を披露。力を注文の多いブレーンバスターでとらえ「海外でも頑張ってきまーす!」と決意表明するが、案の定、逆にブレーンバスターで投げられ、続くバックドロップに3カウントを献上した。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第5試合では、素顔のKIKUZAWAとなって、東京愚連隊のMAZADA、FUJITAと共にCIMA&田中将斗&彰人組と対戦。彰人のニークラッシャー、田中のスライディングD、CIMAのマッドスプラッシュという必殺技フルコースは味方のカットに救われるも、CIMAのシュバインからのメテオラに力尽きた。

 フィニッシュ直前のトカレフで足を滑らせ、足を負傷してしまったCIMAは「これも菊ちゃんからの置き土産と思って、自分はDRAGON GATEでまい進する」とエール。東京愚連隊の仲間からも激励を受けた菊タローは「鶴見五郎さんから学んだ生命力で、アメリカでもゴキブリ以上に生き残ってみせる」と宣言。
 当面はラスベガスに移住し、ディーロ・ブラウンがエージェントを務めるパラゴンプロレスを拠点に、アメリカ全土を放浪サーキットすることも視野に入れているが、「あとはトランプのサジ加減」と、移民NGの政策を打ち出す新大統領に戦々恐々した。

■東京愚連隊興行「東京DREAM 2016」
11月28日(月)東京・後楽園ホール大会

<IWA世界ヘビー級選手権試合>
[王者]○ミル・マスカラス
(8分20秒 ダイビングボディーアタック→体固め
[挑戦者]●NOSAWA論外
※初代王者が防衛に成功

<6人タッグマッチ>
船木誠勝、○ドリー・ファンクJr.、ザ・グレート・カブキ
(13分9秒 スピニングトーホールド→ギブアップ)
チャボ・ゲレロ、藤原喜明、●西村修

<6人タッグマッチ>
○CIMA、田中将斗、彰人
(14分28秒 メテオラ→片エビ固め)
MAZADA、FUJITA、●KIKUZAWA

<東京世界ヘビー級選手権試合>
[王者]○望月成晃
(13分48秒 鼓太郎のエンドレスワルツを切り返す→エビ固め)
[挑戦者]●鈴木鼓太郎
※第5代王者が2度目の防衛に成功

<東京IC(インターコンチネンタル)タッグ選手権試合>
[挑戦者]○ディック東郷、獅龍
(15分49秒 ダイビングセントーン→片エビ固め)
[王者]佐藤光留、●ロッキー川村
※第5代王者組が2度目の防衛に失敗、東郷&獅龍が第6代王者組

<ワクチンファイト提供>
ブラックタイガー、○バッファロー
(10分43秒 ラリアット→体固め)
橋本友彦、●甲斐拓也

<菊☆飛びます〜いい日旅立ち〜>
百田光雄、○力
(9分21秒 バックドロップ→体固め)
●菊タロー、食いしんぼう仮面

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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