カズのJリーグ24シーズン目が閉幕 データで辿る“キング”の足跡

広島から最多得点、札幌は苦手!?

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 続いて注目したのは対戦チーム別のゴール数。カズがこれまでのキャリアで一番ゴールを決めたチームはサンフレッチェ広島であった。奪ったゴールは計15得点。24回対戦しており、最も対戦数が多いジェフ千葉と清水エスパルスの26回ともさほど離れていないことから、効果的にゴールを挙げていることが分かる。続いてガンバ大阪からの13ゴール、浦和レッズからの12ゴールとオリジナル10のチームが続いていくのは必然である。

 逆に、対戦したことがあるチームの中でいまだカズがゴールを奪ったことがないチームは10クラブ。中でもコンサドーレ札幌は17回対戦しており、回数が多いながらも得点を奪えていないチームの1つである。

おなじみのスタジアムも1度の出場のみ

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 カズが最も多く試合に出場したスタジアムは現所属横浜FCのホームであるニッパツ三ツ沢球技場。実に121試合を戦っている。2位の等々力陸上競技場も全盛期に在籍したV川崎がかつてホームスタジアムとして使用しており、ベンチ入りした52試合は全て出場という数字が残っている。いかにチームにとって重要な選手だったのかがうかがい知れる数字といえるだろう。

 3位に入ったスタジアムが聖地・国立競技場であることもキングカズならではのデータ。その後も在籍クラブのホームスタジアムが上位に続く結果となった。ホームスタジアムではないスタジアムで一番出場数が多かったのは日産スタジアム。15試合でベンチ入りし13試合に出場している。

 特筆すべきは1試合のみの出場となっているスタジアム。岩手県営陸上競技場やテクノポート福井スタジアム、函館市千代台公園陸上競技場など、Jリーグの開催自体がレアなスタジアム名が見られ、長きにわたりJリーガーとして活躍しているカズこその行脚データである。ちなみに、埼玉スタジアム2002、豊田スタジアム、デンカビッグスワンスタジアムなども1試合のみの出場にとどまっている。今となってはJリーグファンにとっておなじみとなったスタジアムも、カズにとってはプレーしなれていないスタジアムという側面があることがうかがえた。

ベテラン勢の中でも突出した年齢に

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 最後に、カズの後を追うベテランJリーガーたちをご紹介したい。カズの次に年長な選手は、カズと4歳差の永井秀樹(東京V)。今季は3試合の出場にとどまっているが、豊富な経験でチームをまとめる重要な役割を担った。93年のJリーグ開幕初年度から現在までプレーを続ける数少ない選手の1人であったが、今季限りでの引退を発表している。

 次の選手となるとカズとは7歳差の土屋征夫(ヴァンフォーレ甲府)や伊東輝悦(ブラウブリッツ秋田)。サッカー選手における7歳差はかなり大きなものと言えるが、それだけカズが突出した年齢で現役生活を続けているという証拠だ。カズにとってはかつて代表チームで後輩であった中村俊輔、中澤佑二(共に横浜FM)らワールドカップ・南アフリカ大会世代がベテラン選手の枠に入っていることも、オールドファンにとっては感慨深いだろう。

 49歳を迎えてもなお、日本サッカー界の最前線を駆け抜けている三浦知良。そのプレーぶりで現在の地位や名声をモノにしてきたが、こうやってデータで歩みを振り返ってみると、重ねてきた数字や実績もまた称賛に値するものばかりである。その歩みは果たしてどこまで続くのだろうか。

(デザイン:鈴木彩子、文:澤田和輝/スポーツナビ)

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