カズのJリーグ24シーズン目が閉幕 データで辿る“キング”の足跡

 最終節まで優勝・昇格・プレーオフ進出・降格が決まっていなかった今季のJ2リーグ。例年以上の盛り上がりを見せた第42節、今季最後の90分をベンチで過ごすことになった三浦知良はどのような心境で戦況を見つめていたのだろうか。自動昇格を目指す松本山雅FCと相いまみえたカズが所属する横浜FCは、結果2−3で敗れた。そして試合終了の笛とともに、日本サッカー界のレジェンドの24年目のシーズンも終わりを告げた。

 今季生まれたカズのゴールは「2」。第19節のFC岐阜戦でのゴールで自身の最年長得点記録を更新すると、第27節のセレッソ大阪戦では逆転勝利の口火を切るゴールで記録を更新。49歳を迎えてもなお、第一線で存在感を放っている姿はまさに圧巻である。

 キングカズはどこまで歩みを進めるのだろうか。これまでの長く、輝かしい道のりを、刻んできた数字とともに振り返る。

絶頂期はV川崎在籍時の6シーズン

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 今季のC大阪戦のゴールで、カズがこれまでJリーグで刻んだ総ゴール数は162となった。

 記念すべき初出場は93年5月15日に行われたJリーグ開幕戦。ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)の一員として歴史的瞬間に立ったものの、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)に1−2で敗れている。Jリーグでの初ゴールは先の開幕戦から11日後に劇的な形で生まれる。J1サントリーシリーズ第4節、鹿島アントラーズ戦で延長前半の96分にチームを勝利に導くVゴールを挙げ、役者ぶりを日本中に見せつけた。なお、現在に至るまでにハットトリックは5回を記録している。

V川崎から移籍後もコンスタントに出場を続ける

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 これまでの24シーズンで渡り歩いたJクラブはV川崎、京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)、ヴィッセル神戸、横浜FCの4クラブ。うち半分以上を占める91得点は98年まで在籍したV川崎で得点しているが(94〜95年のジェノア移籍時は除く)、26歳で迎えたJリーグ開幕からクロアチア・ザグレブに移籍した31歳までの6シーズンで大ブレークしていたことがあらためて浮き彫りとなった。なお、全162ゴール中、139ゴールはJ1(2007年の横浜FC含む)での得点となっている。

 特筆すべきはやはり出場試合数の多さ。前述の通り、153試合を刻んだV川崎を離れた時点で31歳ながら、その後393試合に出場しているのだから驚きである。現在所属の横浜FCでの出場数が、カズのJキャリアで45%以上に達していることも興味深い。なお、京都で21点、神戸で24点、横浜FCで26点という内訳となっている。

年齢層が幅広いアシスト選手たち

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 カズゴールをこれまで最も生み出した選手は、V川崎時代の相棒とも言えるビスマルク。元ブラジル代表の司令塔から送り出されるスルーパスに、カズが走り込んでゴール! そんな華麗なゴールシーンに当時日本中が酔いしれた。ビスマルクのアシストでカズが刻んだゴールは「20」。2位武田修宏からのアシストが「8」と倍以上の開きがあることからも、いかに2人のホットラインがV川崎の得点源となっていたのかが分かる数字である。また、ラモス瑠偉からのアシストは「3」とあまり多くない。ラモス自身が個の能力で得点に結び付けていたことも少なからず影響しているだろう。

 また、余談ながらアシスト「2」を記録している選手たちの顔ぶれがなかなか面白い。すでに監督としてその手腕を発揮している柱谷哲二(現ガイナーレ鳥取監督)やガンバ大阪の遠藤保仁(京都でチームメート)、ガイナーレ鳥取のGMとして活躍する岡野雅行や大宮アルディージャの播戸竜二(共にヴィッセル神戸でチームメート)と幅広い年齢層からアシストを受けていることもまたカズのキャリアならではのデータである。

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