【全日本プロレス】三冠王者・宮原と諏訪魔が11.27両国決戦へ火花 秋山の誕生日に小橋、カシンがサプライズ登場

高木裕美

47歳の誕生日を迎えた秋山を小橋さんがサプライズで祝福 【横田修平】

 全日本社長でもある秋山準は、約3年前に同団体を退団した征矢学と因縁の一騎打ち。容赦ない猛攻で征矢を完膚なきまでに叩きのめし、スターネス(冷徹)ぶりを発揮するも、その直後に、思いがけないサプライズが待ち構えていた。

 征矢はかつて同団体で大森隆男とタッグチーム「GET WILD」を結成。ユーモラスなかけ合いと、息の合った連係でプロレス界を代表するタッグチームとなったが、征矢の負傷欠場、退団により3年前に自然消滅した。だが、征矢が大森との対戦直訴のため、9.19後楽園大会に来場。その際、「大森のダンナ」と呼びかけたのが秋山の逆鱗に触れ、今回の一騎打ち実現となった。

復帰したばかりの征矢に容赦ない猛攻

秋山はこの日復帰したばかりの征矢に容赦ない攻撃 【横田修平】

 5時間前のWRESTLE−1後楽園大会で、右肩鎖関節脱臼及びじん帯損傷からの復帰戦を果たしたばかりの征矢は、右肩にテーピングを施して入場。ドロップキック、ワイルドボンバーで奇襲を仕掛けるも、秋山は冷静にキックアウトすると、場外での鉄柵攻撃。さらに爆弾を抱える右肩を容赦なく絞め上げ、ヒザ蹴りやキックで痛めつける。征矢もブレーンバスター、スタナーで反撃に出るも、秋山はランニングニー、ヒザ蹴り連打、エクスプロイダーからの羽根折り式腕固めで、粘る征矢をタップさせた。

カシンが真っ赤な闘魂タオルをプレゼント

カシンは「はぐれ全日本軍団」Tシャツと真っ赤な闘魂タオルを秋山にプレゼント 【横田修平】

 試合後、退場しようとする秋山の前にケンドー・カシンが現れ、自身とおそろいの「はぐれ全日本軍団」Tシャツと、真っ赤な闘魂タオルをプレゼント。さらには、『GRANDSWORD』と共に秋山の盟友である小橋建太さんも登場。「準、誕生日おめでとう」と大きな花束を手渡し、この日47歳の誕生日を迎えた秋山をねぎらった。このサプライズに、秋山も「両国、誕生日プレゼント、おねがいします」と、11.27両国大会への来場をおねだり。小橋さんも、復帰戦以外の何らかの形で、両国大会に来場することを快諾した。

秋山はまさかの“はぐれ全日本軍団”結成に含み

まさかの“はぐれ全日本軍団”結成に含み 【横田修平】

 先ほどの冷徹さから一転、満面の笑みとなった秋山は、小橋さんの心遣いに「両国では何かやりましょう」と感謝しつつ、カシンには「訳分かんないけど、オレも今1人だし、絶対言うことを聞かない相手に、オレ自身への挑戦をしてもいいかも」と、“はぐれ全日本軍団”結成に含み。
 征矢については「オレも団体を辞めたことがあるし、辞めてどうこうはない」と、3年前の退団に対する遺恨は否定しつつ、「あとはいちレスラーとしてどう行動するのか」と、昼の大会で大森から呼びかけられたGET WILD再結成への返答を、征矢がどう受け止めるのかに注目した。

青木&佐藤組がアジアタッグV3

アジアタッグ王座防衛に成功した青木篤志&佐藤光留組 【横田修平】

 アジアタッグ選手権試合では、第99代王者組である青木篤志&佐藤光留組が、長井満也&南野タケシ組を退け、3度目の防衛に成功した。
 挑戦者組は、セコンドの高岩竜一、5代目ブラックタイガーを介入させ、4対2の状況に持ち込むと、さらに凶器攻撃も。15分過ぎには、青木が南野をアームロックでとらえ、佐藤もエプロンで長井をアンクルホールドで捕獲する絶好のチャンスに、セコンドが凶器を手渡し、形勢逆転。しかし、青木はステッキで殴られながらも、南野を高角度前方回転エビ固めで丸め込み、3カウントを奪取。苦しみながらも、ベルトを守り抜いた。


 早くも6日後の10.15新潟・三条大会では、竹田誠志&丸山敦史組とのV4戦が決定。だが、青木は「このまま両国まで突っ走る」と、自分たちが王者として両国にたどり着くと宣言。一方、佐藤は「アジアタッグをやるたびに、アンタが好きになっちまう」と、青木に衝撃の愛の告白をするも、青木は「アンタは元から変態だよ」と、意に介さず。佐藤は1人、実らない愛に身を焦がしていた。

全日本対W−1対抗戦がヒートアップ

GAORA TV王者・中島を倒したイケメンはベルトにも色気 【横田修平】

 この日は全日本対WRESTLE−1による対抗戦も行われた。8.11W−1横浜文化体育館大会での6人タッグ戦の再戦となった野村直矢&青柳優馬組vs.土肥孝司&熊ゴロー組は、ヒートアップするあまり、両者リングアウトという結果に。また、中島洋平&SUSHI組vs.吉岡世起&黒潮“イケメン”二郎組では、黒潮がホームリング以上の「イケメン」コールを起こし、大ハッスル。GAORA TV王者である中島の必殺技・跳後廻蹴を寸前でかわし、高角度後方回転エビ固めで丸め込んで3カウントを奪い取ったことで、ベルトにも色気を見せた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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