大阪桐蔭・根尾、報徳学園・小園らに注目 100回大会の主役へ――逸材1年生ずらり

松倉雄太

小園、俊足生かして5試合連続安打

春の兵庫大会で1年生ながら1番打者として存在感をアピールした報徳学園・小園。俊足を武器に5試合連続安打とヒットを量産した 【松倉雄太】

 春の兵庫大会で「1番・遊撃手」として存在感を発揮したのが、報徳学園高の小園海斗。枚方ボーイズ時代にU−15アジアチャレンジマッチの日本代表に選出された男は、県大会5試合全てで安打を放ち、そのうち4試合で2安打以上と結果を残した。右投げ左打ちで、「50メートルの最速は5秒9か6秒0」と話す脚力が武器。永田裕治監督も「1年生の時の尾崎匡哉(02年センバツ優勝時の遊撃手で元日本ハムに所属)より素質は上」と期待する。ドラフト候補のエース・主島大虎(3年)を視察にきたプロのスカウトからも、「2年後が楽しみ」と評価。初めての夏となるが、2年間、遊撃手が安泰と言わしめるだけのパフォーマンスが楽しみだ。

春優勝の智弁学園に大型ルーキー

 同じ遊撃手では、智弁学園高(奈良)の高塚勢牧も春の大会でスタメンを掴んだ。天理シニア出身で身長176センチ、体重68キロ。守備が安定しており、小坂将商監督はセンバツまで同じポジションを守っていた太田英毅(2年)を二塁に回した。打撃でも春の県大会決勝の天理高戦でタイムリーを放つなど、下位打順ながら要所での勝負強さが光る。「夏もこの布陣になる可能性がある」と指揮官も期待。春夏連覇を目指すチームで存在感を見せられるか。

 智弁和歌山高(和歌山)の林晃汰と文元洸成は、高嶋仁監督が「3番と5番を打たせたい」と期待するスラッガータイプ。近畿大会では初戦の京都翔英高戦で揃ってタイムリーを放ち、素質の高さを見せた。ライバルとしてお互いに刺激しあっており、2年間かけての競争で成長していきたい。

清宮と主軸打つ早実・野村

 全国に目を向けると、U−15日本代表メンバーが多くベンチ入りしている。今年のセンバツに出場した札幌第一高(南北海道)では、柴田颯が背番号15ながら「4番・三塁手」として夏の大会でのデビューを果たした。札幌地区大会を勝ち抜き、南大会への進出を決めており、背番号が今後1ケタになる可能性がある。清宮幸太郎(2年)が注目される早稲田実高等部(西東京)では、大阪福島シニア出身の野村大樹が思い切りのいい打撃で4番を任されている。

 夏は最後となる3年生が主役になる大会。ただ、昨年の清宮の時のように、「1年生がノビノビとプレーできる雰囲気を作りたい」という声が上級生から自然に出てくるチームが全国でも上位進出している。2年後の第100回記念大会へ向けて、長い目で1年生の成長を見守っていきたい。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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