手倉森監督「躍進の可能性を示せるように」 U−23日本代表 南アフリカ戦前日会見

スポーツナビ

これまでの成長とこれからの可能性を存分に示してほしい

――当落線上にいる選手たちもいるが、どういったアピールを求めていきたいか?

 いや、このチームが育んできたものは、世代としてのまとまりにある。選手たちにも話しましたが、この代表は(候補を含めて)78人の選手を呼んでいる、と。78人の成果がアジアチャンピオンになれて、五輪への切符を取れている。みんなの思いが結果になっているということを、彼らは十分に認識していると思う。

 もちろん、事実18人に絞られるということはある。勝負師として、(選ばれなくとも)生き続けなければいけないという話をした中で、みんながこの世代でなし得る目標、志は一緒だな、と。「選ばれる」「落とされる」という表現になると思うけれど、自分は選手たちに「託す人」と「託される人」という話をしました。そういったメンタルは十分に育まれている。託された人がそういった仲間の思いを十分にくんで、より覚悟と責任感を強めて戦わないといけないわけですから、自分のアピール以上に世代のアピールというのをやってくれるグループ。だからこそ谷間の世代と言われたところから(アジアの)チャンピオンにもなれたと思う。彼らにはそのメンタルが十分育まれている。

 五輪が終着駅ではないし、すべてではないという話もした。彼らが将来、日本のサッカー界を担えるところに向かってやり続けていってほしい。そういう集団であってほしい。アピールは明日だけじゃないという風にも話しました。ただ、日本に自分がいるんだということを思う存分、ピッチに出たときは表現してほしい。全員でね。

――FWの枠というのは何人? また何を期待するのか?

 トゥーロン(国際ユース大会)で外しまくってきたので、ぜひゴールを取ってほしい。FWの枠はワクワクするくらいのものを……(笑)。すいません(笑)。

――対アフリカという意味ではめどを付けないといけないと思うが。

 まずコンディション的に考えれば、走り負けてはいけない試合になる。南アフリカは長距離移動をしてきているし、向こうで何試合かこなしてから移動してきている。来てもらってありがたいし、最後までこちらが走り切って相手を翻弄(ほんろう)するくらいの90分にしないといけないだろうな、と。ゴールを取って勝たなければ、本当に(リオ五輪初戦の)ナイジェリア戦というのは難しくなる。それくらいのことを選手たちにハッパをかけてやりたいと思います。

 走る、蹴って飛び出す距離というところで、アフリカ勢はダイナミックさを出してくると思うんですけれど、こちらは手数をかけてでも、そういったことをやらせないという、それくらいの覚悟で戦わなければいけない。自信を得て五輪に行くためには、結果を出さないといけない。(敗れて)危機感を持っていくことになるかもしれないですけれどね(笑)。まあ、どっちかしかない。なるべくだったら、自信を持ってブラジルに渡りたい。何よりU−23だけで戦う試合で、彼らのこれまでの成長と、これからの可能性というのを存分に示してもらいたいと思います。

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント