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樫で輝くシンハライト直線100mの脚に凄み
池添「1番証明したい」真の決着戦は秋へ

シンハライトが1頭抜けていた

ど根性で馬群を割った後はゴールまで一気の伸び!
ど根性で馬群を割った後はゴールまで一気の伸び!【写真:中原義史】

 ただ、その最後の直線、シンハライトの目の前にはいっせいに他馬の壁が広がり、抜け出せるスペースをなかなか見つけられない。まるで綱渡りのように馬群の中を1頭、1頭とすり抜けていくが、普通の若い3歳牝馬だったら、もうこの時点で走る気をなくしてしまっても責められないだろう。ところが、シンハライトは違った。


「外へ出そうとしたときに外の馬(デンコウアンジュ)の邪魔をしてしまって、そこは申し訳ない部分なんですが、抜け出してからはグッと伸びてくれた。すごい馬だな、たいしたもんだなと思いましたね」(池添)


「最後の伸び、これこそがシンハライトの底力なのでしょう」(石坂調教師)


 インからいち早く抜け出していたミルコ・デムーロ騎乗のビッシュ、スムーズに外から伸びてきた戸崎圭太が駆るチェッキーノの関東馬2騎を、その間からまとめて斬り捨てた残り100メートル。2着との差はクビ、3着とは0秒1と、字面上はわずかでも、実力差はそれ以上に大きな隔たりがある――つまり、現時点のこのメンバーでは、シンハライトが1頭抜けていたと言ってもいいくらいの強い競馬だった。

秋にはジュエラー、メジャーエンブレムと再戦

秋には真の3歳牝馬ナンバーワン決定戦へ
秋には真の3歳牝馬ナンバーワン決定戦へ【写真:中原義史】

 いや、そうでなければこの“次”が面白くならない。3歳牝馬2強がいないレースだからこそ、シンハライトが圧勝しなくては、真の頂上決戦たる秋への楽しみが半減してしまうというものだ。


 オークス前、池添はこんな思いを抱きながら、レースに臨んだという。


「桜花賞で2着という悔しい思いがありましたから、それを晴らすのはオークスの舞台だと、強い気持ちを持って臨みました」


 では、その悔しさがオークスの勝利ですべて晴れたかと言えば……「少しは晴らせたかな」。


 2センチ差の敗戦という悪夢のような桜花賞2着の借りは、直接対決でこそすべて返せるもの。そして、土をつけられた桜花賞馬ジュエラー、この春はマイル路線に転じた2歳女王メジャーエンブレムを再びまとめて撃破してこそ、本当の意味で3歳女王だと胸を張ることができる。池添が言葉に力を込めて、こう語った。


「桜花賞馬は秋には復帰してくるとのことですし、メジャーエンブレムも出てくると思う。秋華賞は3歳牝馬ナンバーワンを決めるレースになると思うので、そこでしっかりと1番を証明したいですね」

厩舎の偉大な先輩ジェンティルドンナの後継馬となるか
厩舎の偉大な先輩ジェンティルドンナの後継馬となるか【写真:中原義史】

 樫の女王から真の3歳女王となったとき、厩舎の偉大なる先輩ジェンティルドンナの後継馬として、牝馬の時代をリードできる存在にもなりうるだろう。


「順調に行けばもちろん、素晴らしい馬になってくれると思う」


 オルフェーヴルをはじめ何頭ものチャンピオンホースにまたがってきた池添も太鼓判を押す大きな宝石=シンハライト。オークスできらめかせたこの輝きは、秋にはどれほどの光を放っているのだろうか。

次週はいよいよダービー!

 そんなことを考えていると、秋の3歳牝馬NO.1決定戦を早くも妄想してしまいがちだけど、実は競馬ファンにそんな余裕はないはずである。


 次週はいよいよ日本ダービーだ。


 もはや何強という言葉でくくれないくらい、史上空前のハイレベル混戦の様相となっている競馬の祭典。個人的なことで恐縮ですが、この春は桜花賞の3連単を的中させたのみで以降は惨敗続き。このオークスもロッテンマイヤー軸で白目をむく結果に……。でも、ダービー良ければすべて良し!ということわざがあるかどうかは分かりませんが、例年以上に頭を悩ませる1週間、そしてそんなことがこの上なく至福な1週間となりそうですね。


(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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