絶賛爆発中の広島“史上最強打線” ローテ崩壊の投手陣をカバーできるか!?
個人打撃部門に多数ランクイン
確実性がアップした来日5年目のエルドレッド。現在、打率と本塁打のリーグ二冠で広島の強力打線をけん引している 【写真は共同】
個人成績を見ると、セ・リーグ打者成績の打率部門1位のエルドレッド(打率3割6分2厘)を筆頭に、同6位の新井貴浩(打率3割2分6厘)、同8位の丸佳浩(打率3割2分2厘)、同9位の菊池涼介(打率3割1分6厘)、同13位に田中広輔(打率3割2厘)と5人が打率3割を超えている。さらに本塁打部門では、エルドレッドがリーグ1位タイの12本で、以下、丸が同8位の7本、菊池と鈴木誠也が同11位タイの4本。打点部門では、新井がリーグ2位タイの28打点で、同5位に丸が26打点、エルドレッドが6位タイの25打点、同9位に菊池が22打点、同13位タイには鈴木誠也が19打点で続いている。
他球団の今季の2ケタ得点試合を見ると、千葉ロッテが今季3試合で、他の10球団は2試合以下。広島の7試合がいかに突出しているかが分かるはずだ。この爆発力を前に、ちまたでは、チーム史上最強打線と言われた90年代中盤の“ビッグレッドマシン”打線を超えた、との声も挙がるほどだ。
復活&進化した“キクマル”コンビ
昨秋から打撃フォームを改造した丸は今季2打席連続本塁打を記録するなど長打力に磨きがかかっている 【写真は共同】
その2人がよみがえった。昨季からの変化が一目瞭然なのが丸だ。昨秋キャンプから打撃フォーム改造に取り組み、打席内でバットを構えた際のグリップの位置を変え、それまですり足だったステップを、右足を大きく上げる形にした。本人曰く、「足でボールを捕まえるイメージ」という新たな試みが、徐々に自分のものとなり、今季は2打席連続本塁打を記録するなど、長打力にも磨きがかかっている。
菊池の場合は、「ケースバッティングをやって、それが安打や本塁打につながっているだけ」と、意識の徹底を口にすることが多い。さらに「引っ張るとか右方向とかは意識していない。反応で打てている」と、あくまで自然体を強調する。昨季は5月に頭部死球を受け、さらに両ひざに故障を抱えるなど、体調面での問題も大きかった。今季は万全とは言えないまでも、身体面で不安が見えるようなプレーは見られない。
打順固定で得点力アップ
2番に座る菊池は「常に打線のつながりを意識」するバッティングを心掛ける 【写真は共同】
この田中の後を打つのが、2番の菊池、3番の丸で、今季は10日までの36試合すべてで、この3人が1〜3番を務めている。打順の固定により、2番の菊池は「常に打線のつながりを意識」するようになり、3番の丸は「クリーンアップに入っているので、走者を返す打撃をしたい」と、それぞれが自らの役割を再認識し、見事に役割を果たす形になっている。
4番以降の打順を見ても、開幕当時は4番に今季、中日から移籍したルナ、5番にエルドレッド、6番には新井が固定されていた。ルナの故障離脱後は、得点圏打率が4割を超える新井が4番に座り、6番にはブレイクの兆しを見せる鈴木が入っている。