絶賛爆発中の広島“史上最強打線” ローテ崩壊の投手陣をカバーできるか!?

ベースボール・タイムズ

エルドレッド、確実性アップで二冠

昨オフにソフトバンク内川に弟子入りした鈴木は打率は2割5分9厘ながらも勝負強い打撃で打点を稼ぐ 【写真は共同】

 打率、本塁打数で、現在リーグニ冠のエルドレッドは、来日5年目を迎えて日本の野球に完全にアジャスト。昨季までは手を出していた外角へのボール球を我慢できるようになり、「今はボールをしっかり見られる」という打撃で確実性がアップした。「昨年はキャンプで故障して出遅れてしまった。今季は春のキャンプからやるべきことができたし、早い時期から試合に出られたことも大きい」と、自ら好調の要因を分析する。

 鈴木は打率(2割5分9厘)こそ低いが、24試合出場で19打点と勝負強い打撃が光る。昨年オフには、福岡ソフトバンクの内川聖一に弟子入り志願し、打撃への考え方が大きく変わったという。新井が通算2000安打を達成した4月26日の東京ヤクルト戦で、新井が「今日は試合前、(鈴木)誠也に2本ホームランを打ってくれ、と言ったら本当に打ってくれました!」と明かしたように、ここ一番で何かをやってくれる雰囲気を持った選手に成長した。

 そして今季から1軍打撃コーチに就任した石井琢朗、東出輝裕の両氏の存在も大きい。丸は石井コーチとの二人三脚で新たなフォームを作り上げた。菊池も昨オフには「(石井)琢朗さんにイチから聞いて、早く固めていきたい」と話しており、その成果は、ここまでの数字が証明している。今季は早い回にベンチ前で円陣を組むことが多く、その直後に打線が爆発する場面も多く見られ、両コーチの高い分析力と的確な戦略が、打撃陣の大きな後押しになっているようだ。

優勝には鬼門の交流戦がカギ

強力打線を擁しながらも、先発ローテが“半壊”状態の広島。4半世紀ぶりの優勝へ緒方監督ら首脳陣がどのようなやりくりを見せるのか!? 【写真は共同】

 ここまでは順調そのものと言える“新”赤ヘル打線だが、少なからず不安要素もある。打線をけん引するエルドレッドは、春季キャンプから両足裏の故障を抱え、走塁では明らかな影響を見せて途中交代することが多い。通算2000安打でチームのモチベーションを上げていた新井も、年齢的なこともあってフルシーズンの活躍には不安が残る。

 さらに、昨季4勝を献上した中日・八木智哉、同3勝のヤクルト・小川泰弘とは今季未対戦。昨季5勝をマークされた阪神・能見篤史には、今季も2試合で1勝0敗、防御率1.69と抑え込まれており、苦手投手の攻略という宿題は残ったままだ。

 それでも、代わりに4番を任された松山竜平が結果を残し、堂林翔太、安部友裕といったところの活躍も目立つ。2軍ではここまで3本塁打を記録している新外国人のプライディも控えている。ルーキーの横山弘樹に続き、黒田博樹、福井優也が登録抹消となり先発ローテが“半壊”状態のピンチに陥ってはいるが、この“最強打線”が勢いを持続できれば心配はいらない。

 今後、首脳陣がいかにうまくやりくりできるか。これまで鬼門と言われた交流戦を打撃力で打破できるようであれば、4半世紀ぶりとなるリーグ優勝も、今度こそ現実のものになりそうだ。

(文・大久保泰伸/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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