田中将大、“旧友対決”で今季最高の内容 岩隈2敗目も「また対戦したい」
田中のピッチングを見て修正した岩隈
2敗目を喫したものの、粘りのピッチングで7回を投げ切った岩隈 【Getty Images】
「(対戦相手の)田中は途中からうまくカーブを混ぜながら、低めに丁寧に投げていた。力まず投げているのを見て、これをやらなきゃいけないなと。そういった部分を最後、残り2イニングで修正できたと思う」
試合後、尻上がりに調子を上げたアジャストメントは、田中の丁寧なピッチングにインスパイアされたものだったと岩隈は振り返った。
より上質なピッチングをした後輩に対し、これは思慮深い先輩らしい気遣いの言葉でもあったのかもしれない。ただ、修正の過程はどうあれ、最後の2回を無失点でまとめたことは今後に生きてくる。
NYでも注目集めた元楽天エース対決
地元メディアもそれぞれ特集記事を掲載し、田中も前日には「互いに長いイニングを投げ合うことができれば」と抱負を語っていた。そして、結果として、その希望通りの試合展開になった。
「自分の中では次につながる投球ができたと思いますし、また田中と投げ合いたいなと。すごく楽しかったので、ぜひまた対戦したいという気持ちでいます」
そんな岩隈の希望が叶う日が、近い将来に訪れるかはわからない。いずれにしても、この日は快刀乱麻とはいかないまでも、それぞれが粘り強いピッチングを見せ、試合後も互いの登板を明るく振り返ったおかげで、3年ぶりの“Japanese Showdown(日本人対決)”の後味は悪くなかった。本人たちにとっても、印象深い先発マウンドになったことは間違いない。
何よりの収穫は、2人がともに今後の向上への希望を抱かせてくれたこと。特にスタジアムで普段以上に多く見受けられた日本人ファンは、2人のそんな姿を見て、さらなる期待感を抱いてスタジアムを後にしたはずである。