V2狙う敦賀気比の大物右腕にスイッチオン 東北王者・青森山田を4安打完封の要因
最弱のチームから北信越王者に
唯一の得点は3回の主将・林中の持ち味でもある逆方向へのタイムリーから挙げたもの 【写真は共同】
確かに、攻守ともにレベルは高い。過去3年の甲子園で14勝を記録しているように、実績も十分だ。ただ、自チームを含め、秋の地区王者4校がひしめくゾーン。そのうちの1校・青森山田高とは神宮大会の再戦で、そのときは8対5で勝っている。ただ東監督は「優勝したチームとは全然違いますから、挑戦者の気持ちで戦います」と冷静だった。
逆方向への打撃で唯一の得点
青森山田高・兜森崇朗監督によると、「もちろん、林中君を警戒はしていたんですが、(走者が自動的にスタートを切る)フルカウントになったのが試合の流れ、勝負の分かれ目でしたね。ウチの堀岡も冬場、球威と制球が上がり、3安打といい投球をしてくれましたが、山崎君の真っすぐは、球速もそうですが角度があり、内野ゴロを打たされてしまいました」。
終盤にも気を抜かず140キロを計測
「フィールディングとか、平沼さんには全然かないません。バッティングも、いまだに公式戦ノーヒットですし……(笑)。優勝を目指す、というより、次の相手としっかり戦うことを意識したいと思います」
青森山田高戦では、終盤にも球速は140キロ台をマークした。
「昨年の神宮大会では、5点差で勝利の見えてきた8、9回にノックアウトされました。ホンマに悔しくて、自然に涙が出たんです。だから、終盤にも気を抜かずにしっかり投げられた」
もともと「投手としての将来性は平沼より上」というのが東監督の評価。さあ、大物右腕にスイッチが入った。