羽生を追う“第2集団”の争いに注目 フィギュア四大陸選手権男女見どころ

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宮原とゴールドの一騎打ちか

女子の優勝争いは宮原(写真)とゴールドの一騎打ちか 【坂本清】

 一方、18日と20日に行われる女子シングルは「日本勢vs.グレイシー・ゴールド(米国)」という構図になりそうだ。中でも優勝に最も近いのは宮原だろう。

 2年連続全日本女王に輝いた宮原は、今季も出場した全試合で表彰台に上がるなど抜群の安定感を発揮している。課題であった表現力に磨きがかかり、ジャンプ時にのぞいていた悪癖も弛まぬ努力で克服。先日、高校を卒業したばかりの17歳は今や世界でもトップクラスのスケーターに成長した。それでも国際大会では、昨年の世界選手権、今季のGPファイナルと2位が続いている(日本開催のNHK杯では優勝)。また四大陸選手権でも2年連続2位と金メダルには届いていない。翌月の世界選手権を見据え、「もう2回(四大陸選手権では)2位なので、今度は優勝したい」と頂点を目指す構えだ。

 その宮原と覇権を争うのはゴールドだろう。GPファイナルでは5位に終わったものの、1月の全米選手権ではSP2位から逆転優勝を果たした。今季は序盤から好調を維持しており、宮原にとって一番のライバルとなりそうだ。

 昨年の大会で3位に入った本郷は、全日本選手権では珍しくジャンプで転倒するなど表彰台を逃した(4位)。涙に暮れたが、1月の国体では参考記録ながら213.94点のハイスコアをマークし、調子を取り戻している。ルッツの踏み切りに課題があったものの、鈴木明子さんの指導により、それが徐々に改善されつつある。持ち前のダイナミックな演技を披露できれば、頂点に立ってもおかしくはない。

課題のルッツを改善しつつある本郷。持ち前のダイナミックな演技を披露できれば、頂点に立つ可能性もある 【坂本清】

 全日本選手権で6位に終わった村上は、浅田真央(中京大)の辞退により、出場機会がめぐってきた。今季はGPシリーズでも表彰台を逃すなど存在感を示せていないだけに、ここで意地を見せたいところだろう。

 宮原と本郷にとっては、世界選手権に向けて弾みをつけるためにも、良い形で大会を終えることが目標となる。男子同様、白熱した戦いが見られそうだ。

(文・大橋護良/スポーツナビ)

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