羽生を追う“第2集団”の争いに注目 フィギュア四大陸選手権男女見どころ

スポーツナビ

四大陸選手権出場のために台湾へ向かう宇野(左)と村上 【写真は共同】

 フィギュアスケートの四大陸選手権が18日、台湾の台北アリーナで開幕する。男女シングルには日本から宇野昌磨(中京大中京高)、無良崇人(洋菓子のヒロタ)、田中刑事(倉敷芸術科学大)、宮原知子(関西大中・高スケート部)、本郷理華(邦和スポーツランド)、村上佳菜子(中京大)の計6人が出場。欧州を除くアジア、アメリカ、オセアニア、アフリカの4つの大陸の選手たちが覇を競う。

300点超えの可能性は!?

 19日と21日に行われる男子シングルでは現在“第2集団”に位置している選手たちの争いに注目が集まる。今大会の出場を回避した羽生結弦(ANA)は今季、グランプリ(GP)ファイナルで合計330.43点をマークするなど、他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せている。また昨年の世界王者ハビエル・フェルナンデス(スペイン)も1月の欧州選手権で302.77点を記録し、羽生に迫る可能性を示した。この2人が不在の今大会は、来月行われる世界選手権を見据え、彼らに次ぐ選手たちが自らの存在をアピールする絶好の機会となるだろう。

羽生、フェルナンデスに次いで300点超えに近いのはチャンか。カナダ選手権でもハイスコアを記録している 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 羽生、フェルナンデスに続いての300点超えに最も近いのはパトリック・チャン(カナダ)か。1年間の休養から復帰した今季、チャンはスケートカナダでいきなり優勝。健在ぶりを示したが、GPファイナルではショートプログラム(SP)の出遅れが響き、4位に終わった。それでも1月のカナダ選手権では合計295.67点をマークするなど、休養前のレベルに戻りつつある。課題となっていたSPで103.58点を出しており、その演技を再現できれば、300点超えも現実味を帯びてくる。

優勝争いは4選手が中心

 優勝争いはそのチャンに加えて、宇野と無良の日本勢、金博洋(中国)あたりが軸となって展開されそうだ。

 宇野はシニアデビューした今季、GPファイナルで銅メダルを獲得するなど一躍トップスケーターの仲間入りを果たした。年末の全日本選手権でも2位に入り、初めて世界選手権の代表にも選ばれている。宇野にとって四大陸選手権は雪辱の舞台。前回大会はSPで2位と好スタートを切りながら、フリースケーティング(FS)でミスが出て5位に終わった。「去年は悔しい思いをしました。今年はその悔しさを晴らしたい」と、本人も意気込んでいる。

 3年連続の出場となる無良も、今大会に懸ける思いは強いはずだ。今季序盤はケガの影響もあり、スケートアメリカで10位と精彩を欠いた。NHK杯と全日本選手権では3位に入ったものの、2枠しかなかった世界選手権の出場権は逃してしまった。しかし、シーズン開幕前に取り組んだスケーティングの強化が実を結びつつあり、全日本選手権では合計263.46点をマークするなど勢いを取り戻している。

羽生(中央)を追う宇野(左)と無良(右)にとっては今大会で結果を残したいところだ 【坂本清】

 今季、4回転ルッツを武器に躍進したのが金博洋だ。1月の国内大会ではFSで4本の4回転ジャンプを成功させた。国際大会でその偉業を達成した選手はおらず、もし今回それを成し遂げればフィギュアスケート界に新たな歴史が刻まれることになる。

 羽生が押し上げたと言っても過言ではない現在の高得点化は、シーズン終盤に向けてますます加速していくことだろう。男子シングルは優勝争いと同時に、どこまで得点が伸びるかにも注目していきたい。

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