鈴木隆行「何を言われようと熱く生きる」 豊富な経験から次世代につなげたいこと

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世界で戦う上で鍵になる個での打開

現役時代の鈴木(中)は、持ち前の個の強さで数々の局面を打開してきた 【写真:アフロスポーツ】

――これまで海外の4カ国5チームでプレーをし、日本でも多くのクラブでプレーをしてきましたが、鈴木さんが感じる海外と日本のサッカーの違いについて教えてください。

 やはり“強さ”だと思っています。強さがなければヨーロッパのチームは認めてくれません。具体的に言うと、フィジカル面とメンタル面での強さです。そして何を置いても“結果”が重要になります。自分がどういうプレーを披露するかも大事ですが、FWとしては得点こそが本当に大事になります。

 ヨーロッパで戦う上で共通しているのは、1対1の状況を自分で打開することが一番重要ということ。僕は使われるタイプではありませんでした。相手DFと対峙(たいじ)して、個で目の前の状況を打開していく選手だと思っています。うまく良い場所に走り込む技術がないこともありますが(笑)。足元でボールを受けてDFと対峙する方が僕のスタイルに合っていました。

――海外では自分のスタイルをどうやって生かしていくか、どうプレーをしていくかをチームメートに理解してもらうことが、チームで必要とされる存在になる近道だと感じます。コミュニケーションの面で苦労したことは?

 コミュニケーションについて、僕はそれほど大きな問題とは捉えていません。意志の疎通という部分では、サッカーをやっている者同士であれば分かるモノがあります。国籍や言葉の壁は関係ないと思います。もちろん練習の中でしゃべって要求をすることもありますが、すぐにお互いの特徴は分かります。

――これから日本サッカーが発展していくために必要であり、世界で戦うために海外のチームから学ばなければならないことを、鈴木さんはどのように考えていますか?

 やはり、1対1の状況を打開する能力が鍵になります。試合中にノープレッシャーでボールを持つことはありません。試合中はプレッシャーやコンタクトを受けながらプレーをしなければならず、ゴールに近づけば近づくほどきつくなり、難しい状況になります。

 日本の選手は、コンタクトが苦手なので、ボールを簡単にはたいてしまったり、それを避けるためにボールを下げてしまいます。すると、どうしても攻撃する回数が減り、同時にチャンスを作り出す数さえも減ってしまいます。

 個で勝てなければ世界を相手に、上位に食い込むことは不可能だと思います。しっかりと身に付けてほしい部分ですし、必要なことです。個でどう打開していくかが、これからの大きな課題になってくると思います。

海外でプレーする姿を見たいのは塩谷

――ジネディーヌ・ジダンのレアル・マドリー監督就任が話題になりました。ご自身もレアル・マドリーの試合をよく観るとのことですが、就任後いまだに負けなし(6勝1分け)の新生レアル・マドリーをどのように見ていますか?

 前からの守備が機能せず、緩いと感じる場面もありますが、レアルは個々の能力や決定力の高さが光っています。クリスティアーノ・ロナウドにも注目が集まりますが、カリム・ベンゼマやルカ・モドリッチのプレーにもすごさがあります。

 モドリッチは、ミドルシュートを打って決めるというタイプの選手ではなく、パサーでもあり、試合をコントロールするタイプだと思います。それでいて“ここぞ”という時にミドルシュートを決める能力があるところが素晴らしいですね。

――特にベンゼマは6試合連続ゴールを記録するなど、チーム内で存在の大きさが際立っていますが、FWの立場から見たベンゼマのすごみを教えてください。

 ベンゼマに関しては、常に良いポジションを取っていることが挙げられます。中央にいればいるほど得点を取る確率は高い。嗅覚というのか分かりませんが、良いスペースに走り込み、良いポジショニングを取っている。それは、自分が強引にボールを保持して決める以外に大事なことでもありますし、非常にうまいと思います。

――これからリーガ・エスパニョーラはもちろん、海外でプレーをする姿を見てみたい日本人選手はいますか?

 塩谷司選手です(サンフレッチェ広島)。身体能力がずば抜けているので、海外の選手に対しても対応ができるし、まったく劣っていない。そこを存分に発揮してもらいたい。外国人に負けない身体能力だけでなく、技術も高くボールを出すこともできるので絶対に活躍できます。海外に目を向けるタイプではないので、あとは本人の気持ち次第だと(笑)。

――今や世界最高リーグと呼び声高いリーガですが、その魅力について教えてください。

 技術が他のリーグよりも高いことは間違いありません。バルセロナとレアル・マドリーの2チームが抜け出していますが、何よりポゼッションの意識が高いこと、そして強さも激しさもある。身近であるJリーグと比較して見ることも、面白い観戦方法の一つだと思います。


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