2016年のF1テレビ放送が決着も… 高騰する放映権は頭痛の種?
2016年もフジテレビがCSで全レース生中継することを発表した(写真は2015年のもの) 【Getty Images】
その最大の理由が、16年から日本におけるF1放映権はフジテレビにはなく、日本では映画会社として広く知られている20世紀フォックス傘下にあるFOXスポーツがアジア全体の包括的権利を獲得していたことが昨年の日本GP前後から関係者の間で話題になったからだ。ここ何年もフジテレビはF1放送の放映権を持つFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)から単年契約で日本国内のF1放映権を獲得してきたが、FOMは単年契約をすることはまれで、通常は複数年契約を締結してきた。日本のF1市場はFOMにとっても重要で、フジテレビ以外に高額なテレビ放映権締結を結ぶ局がなかったことから、特例とも言える単年契約が何年も続いていた。そこをFOXスポーツは、FOMと14年10月に、16年から22年シーズン分のアジア圏における包括的放映権契約を締結。この包括契約のなかに日本の放映権も含まれていたというわけだ。
英国ではBBCがF1放送を見直し
ここで問題になるのが、F1の高額な放映権料だ。つい先日、英国のBBCがF1放送から撤退のニュースが出た。これによりBBCは今後7年間で1億ポンドから1億5000万ポンド(約170億円から255億円)のコスト削減ができたと言われている。英国では有料放送のスカイスポーツと無料放送のBBCがコンソーシアムを組み、FOMと契約していた。五輪放送などでNHKと民放各社がコンソーシアムを組んで契約するのとほぼ同じような形式だ。
問題は英国における放映権料で、12年から18年にかけての7年契約では、毎年放映権料が値上がりする契約となっており、1年平均では年間5500万ポンド(約93億4000万円)の契約だと言われている。それをスカイスポーツが4000万ポンド、BBCは1500万ポンドをそれぞれ負担すると。果たして、日本のF1放映権料がいくらなのかは不明だが、少なくとも数十億円規模であることは間違いない。