「史上最強」のフットサル日本代表 W杯での8強進出に向けアジア制覇に挑む

河合拓

ライバルとなる数々の強豪国

日本のライバルであるイラン。アジア選手権が開催された13回のうち、イランは10回の優勝を果たしている 【写真:アフロスポーツ】

 日本代表はアジア選手権に向けた最後の調整の場として、1月27日、30日にコロンビアと国際親善試合を行った。コロンビアは、前回のW杯で4位になった強豪であり、今年のW杯の開催国でもある。ほぼベストメンバーで来日した南米の雄との2連戦、日本は3−2、4−2と2連勝を収めた。コロンビアは来日して間もなかったが、日本もアジア選手権に向けて名古屋で走り込みを中心としたトレーニングキャンプを終えたばかりだった。互いにコンディション万全ではなかった中で、日本はスコア以上の差を内容で示している。

 この史上最強と言える日本のライバルは、イランだ。アジア選手権は過去13回開催されたが、実は優勝しているのはイランと日本のみ。優勝回数は3回の日本に対し、イランは10回の優勝を果たしている。フットサル版のFIFAランクであるフットサルワールドランキングでは本日時点で、日本が9位、イランは6位となっている。

 日本が連覇を飾った前回大会でも、両国は決勝で戦った。PK戦の末に日本が勝利したが、チャンスの数は圧倒的にイランが多く、GK関口優志(エスポラーダ北海道)の好守がなければ、大敗してもおかしくなかった。この2年間でイランとの差をどれだけ縮められたかは、約半年後に迫っているW杯に向けても重要なテストになる。

 また、前回大会のグループステージ第2戦で対戦し、1−2で敗れたウズベキスタンにも警戒が必要だ。日本がアジア選手権でイラン以外の国に負けたのは01年大会以降、初めてのことである。今回開催国でもある彼らは、GKウマロフを中心とした堅守から速攻を狙ってくるチームである。地力では日本が上回るものの、得点できない時間帯が続けば、難しい試合になるだろう。

 さらに今大会、日本が初戦で対戦するカタールも侮れない。サッカーでは、南米出身選手やアフリカ出身選手が多数帰化して同国代表選手となったことで問題となったが、今大会を前にカタールにも多くの帰化選手が加わった。前回大会から劇的に強くなっている可能性があり、初戦で当たるには非常に厄介な相手である。

 多くの国が、日本の3連覇を阻みにくる。しかし、W杯での8強進出を最大の目標に掲げているチームにとって、W杯の出場権獲得は当たり前のこと、アジア選手権3連覇を達成し、日本がアジア最強だと示すことこそが、唯一の目標となる。

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著者プロフィール

1980年、埼玉県生まれの転勤族。大学在学中の2002年にフットサル専門誌『Pivo!』で取材&雑誌編集を開始。06年からはベースボールマガジン社で『週刊サッカーマガジン』の編集に携わり、ガンバ大阪&セレッソ大阪の担当を務めた。11年にフリーランスに転身。15年からは大宮アルディージャ広報誌『VAMOS』や『サッカーゲームキング』の編集に携わる。

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