本塁ブロック禁止で野球は変わる? 元コーチが新ルールを実演解説

ベースボール・タイムズ

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(制作協力:ベースボール・タイムズ)

「際どいタイミングでは走者有利に」

一足先に昨年から本塁ブロックが禁止されたMLB。本塁では写真のような追いタッチが見られるようになった 【Getty Images】

 一方、中根氏は、外野からの返球が中途半端になった場合に、難易度が一気に上がるだろうと予測する。

「(捕手は)昨季までは、送球に合わせるように足を引いて捕球することもできたわけですが、それが妨害と取られてしまうこともあるでしょう。ですから、より一歩前に出るとか、ベースの前でボールを止めにいくような動きをしなくてはいけなくなるでしょうね」
 さらに捕手だけでなく、外野手も今回のルール変更にも適応しなければならないと分析する。

「際どいタイミングでのプレーが走者有利になる。であれば、(外野手が)カットマンへ正確に送球することが第一だという判断になるのではないでしょうか。得点を防ぎたいのはもちろんですが、それよりも、打者走者を二塁に行かせないことにより注意を向けることもあるでしょう」

 本塁でのクロスプレーが走者有利となれば、当然、“勝負”するよりも“その後”の進塁を防ぐ選択が増えることになりそうだ。「この辺りはチームによって方針が分かれそうです」とは中根氏。いずれにしても、チームとしての共通認識が必要になるだろう。

「回り込まれたらどうしようもない」

 本塁クロスプレーの判定は、そのまま得点に直結する。中根氏は、走塁面でも変化があるだろうと指摘する。

「当然、『ゴロゴー』や、『ギャンブルスタート』の場面は増えるでしょう。スライディングも、捕手を見て回り込む必要がなくなり、とにかく突っ込めという指導でよくなる。西山さんが話した通り、捕手は片手でタッチにくるわけですから、少しアウト気味のタイミングであったらミットに行くということもあるでしょう。あまりいいプレーとは言えませんが……」

 西山氏も続ける。

「直線的にスライディングするほうが早いですが、捕手としてはホームを空けている上で走者に回り込まれたらどうしようもないですね」

 同ルールの改正に加えて、今季は本塁上でのクロスプレー時にビデオ判定が導入されることも決まっている。これによって、野球の風景がまた大きく変わることになる。

 まずはオープン戦で試運転。判定を巡って抗議が起こるケースもあるだろう。新監督、新戦力の動向も気になるところだが、今年からの新ルールにも注視する必要がある。

(取材・文:谷口一馬/ベースボールタイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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