高校サッカー選手権を統計学で楽しむ 過去のデータを見れば優勝校が分かる!?

サイカ×スポーツナビ

優勝監督と在籍年数の相関関係は?

【画像:サイカ】

 最後は優勝校の監督について、監督がその学校を率いて何年目に優勝したのかを調べてみた。平均は14.57年で、在籍年数を5年ごとに区切ってみると「6〜10年目」が最多の11回となった。以下、「11〜15年目」「16〜20年目」が9回で並んでいる。一方で、「31〜35年目」は0回となった。今大会に出場する高校でこの項目に関して最もオッズが高い「6〜10年目」に該当するのは以下の8校。

北海道:札幌大谷(7年目)
岩手:遠野(6年目)
茨城:明秀日立(9年目)
山梨:帝京三(10年目)
新潟:新潟明訓(8年目)
福井:丸岡(7年目)
和歌山:初芝橋本(6年目)
香川:高松南(8年目)

 優勝オッズで星稜と前橋育英の予想が低くなった要因は、監督の在籍年数による部分が大きい。星稜の河崎護監督は31年目、前橋育英の山田耕介監督は33年目であり、過去に優勝校が出ていない「31〜35年目」に該当するため、低い予想となった。

 以上の3項目で算出したオッズを総合したのが、最初に紹介したトップ10となる。

 最後に、本来は東京のみ代表校が2校選ばれていたり、大会への出場校が48校ではない期間もデータに含まれていることも考慮するべきなのだが、あくまで数値から統計的な傾向を分析するために、過去40年のデータを参照している。

大会が始まってからの注目ポイント

【画像:サイカ】

 今回のオッズには含めなかったが、優勝校を予想するに当たってその他にも分析したデータを紹介したい。まずは優勝校の得点と失点について過去20年分のデータを見てみると、平均12.89得点、2.89失点となった。優勝まで6試合(2回戦からの場合は5試合)を戦うことを考えると、優勝するためには1試合平均で2点以上奪う必要があることになる。84年大会の島原商のように、6得点(1試合平均1.2得点)で優勝した例もあるが、優勝するチームには得点力が求められる。ちなみに、過去の得点王のデータも分析したところ、1試合平均の得点率は1.12となった。

 今回は事前に入手可能なデータ・数値から統計学を用いて優勝校を予想してみた。実際には、各校の今季の戦力や調子、大会中の勢いといった数値では表すことのできない要素も多く関わってくることだろう。数字がすべてではないが、今回の分析で用いた数値を意識してみると、今までとは違った選手権の楽しみ方ができるかもしれない。

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