新女傑にヌーヴォ(新)レコルト。「競馬巴投げ!第109回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

男性の生殖器だって、それ相当に微妙なんだ

[写真4]府中牝馬S1着ノボリディアーナ(右)と同2着スマートレイアー 【写真:乗峯栄一】

 よく「産婦人科」というが、これは「産科」と「婦人科」を合わせたものだ。「産科」というのは、女性の妊娠から出産までを診るところで、まあ妊娠・出産というのは病気ではないが、大事業であって、悪くすると母体、胎児両方の命にまでかかわったりすることだから、産科が必要なのは分かる。じゃあ婦人科とは何だ。

「大辞林」によると婦人科とは「女性生殖器を診察する科」となっている。じゃあ「泌尿器科」とは何だと、同じく大辞林見ると「男性および女性の泌尿器と男性生殖器を診察する科」となっている。これ、おかしくないか。

 ぼくの想像だが、本来なら「婦人科」「殿方科」でそれぞれの生殖器を診察し、「泌尿器科」で男女共の泌尿器を診るという形にしたかったはずだ。男女公平の理論からすると、当然そうなる。婦人の生殖器は特に微妙だから「婦人科」という「科」を作って特別に診るというのはおかしい。男性の生殖器だって、それ相当に微妙なんだ。

「産科」(女性オンリー)、「婦人科」(女性オンリー)、「殿方科」(男性オンリー)、「泌尿器科」(男女フリー)と、こうこなくてはおかしい。

 特に男の場合、生殖器と泌尿器を区別するのが困難などという理不尽な理由によって「まあ、男の場合は殿方科なんか作らず、泌尿器科で生殖器も診るということにしましょうや」という不穏当な意見で決着がついたんだ、きっと。悔しい!

でもわたし、生殖器と共に泌尿器も結構自信あるのよ

[写真5]前走古都Sを勝ったフェリーチェレガロ、淀2200メートルに適正を見せた 【写真:乗峯栄一】

 とにかく、一番言いたいことは婦人科・泌尿器科の両方を制覇できるのは、現状では女性だけだということだ。

「今週婦人科最強戦があるから、わたし出るの」

「オレは来週の泌尿器チャンピオン戦に出るんだ」

「あ、わたし、来週の泌尿器戦も連闘で出るわよ」

「何言ってんだ、泌尿器戦で男が負けたことはこれまで一度もない」

「そーお? でもわたし、生殖器と共に泌尿器も結構自信あるのよ、ふふふ」

 婦人科女王は、男ばかりの泌尿器待合室でも臆することなく堂々と行動し、診察ベッド前では強烈な上り脚まで披露して、史上初の婦人科・泌尿器科連闘チャンプが誕生する。
 牝馬オークス(女性限定)、牡馬オークス(男性限定)、ダービー(男女フリー)、とそういう設定にしないと公平の原則にそむくだろう。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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