“ミスター・プロレス”天龍源一郎の引退試合が目前に迫ってきた。１５日に両国国技館で行われる昭和レジェンドの最終戦には、新日本プロレスの現ＩＷＧＰヘビー級王者“レインメーカー”オカダ・カズチカが選ばれた。

「昭和vs.現代」の象徴となるこの一戦。両者を近くで見てきた邪道＆外道の２人それぞれに、話を聞いてみた。

――天龍さんの引退試合が近づいてきました。その対戦相手が“レインメーカー”オカダ・カズチカとなりますが、それを聞いた時、どう思われましたか？

　あの人はいろいろなことにチャレンジしたいんじゃない？　だから今、日本で一番トップのオカダとやりたいんでしょ？　そこはさすがだなと思いましたが、まあオカダに“介錯”してほしいんじゃないの？

――天龍さんが新日本の両国大会に乗り込んできて、対戦表明していましたが？

　久々に（天龍さんの姿を）見たね。相変わらず頭チリチリだなって。歩き方を見ていて、年食ったなと思ったし、相変わらず（コメントが）聞き取りにくいなって。

――試合としてはどうなると思いますか？

　どうかな？　最後にズバッと負けたいんだと思うよ。まだ結果は分かんねーけどさ。今の日本のトップのやつに介錯してもらいたいんでしょ？　中途半端なやつじゃなくて。

――今回の試合のテーマは“昭和のプロレス”がキーワードとなりますが、どう解釈していますか？

　試合運びだったり、体つきだったりとか。オカダは今の時代の選手という感じだけど、昔はお相撲さん上がりが多かったでしょ？　アンコ型というか。今は洗練された選手ばっかりで、試合運びもそれなりの今風になってるよ。

　それは時代の流れじゃないの？　芸能界だって一緒でしょ？　歌だって、ポップスが良かったり、演歌だったり。演歌だって時代が変わってきてるんだもん。美空ひばりがいれば、氷川きよしがいたりするからね。お笑いだってドリフがいれば、めちゃイケが流行ったりするんだからね。

――この試合が楽しみだったりしますか？

　行かないもん、オレ。逆に何でオレが行くの？　別に行ったって結果が分かっているし。オカダが勝つでしょ？　いや絶対勝つもん。

――どんな試合をやってほしいとかはありますか？

　それは別にオレが言うことじゃないよ。天龍さんらしい試合をしてくれたらいいんじゃないの？

――天龍さんについて伺います。天龍さんとはＷＡＲ時代に試合をしたりしていましたが、その頃のイメージは？

　初めてああいうメジャーな団体に入ったので、体の厚みも違うし、でかさも違う。「プロというのはこういうもんだ」と教えてもらった人かもしれないね。チョップ、グーパンチ、顔面キックを受けまくって、毎日傷だらけだったよ。

――若手に対して全力で向かってきた？

　若手に限らず、誰にでも全力でいくでしょ、あの人は。

――そこから学んだことは？

　ないね。当時は「いつかぶっ殺してやる」しか思ってなかったし。

――シングルでも試合をされています。シングルでやったときの天龍さんのイメージは？

　とにかくでかいってこと。でもワクワクしたよね。天龍源一郎にあんなことやってみようかな、こんなことやってみようかなって思ってたからさ。

――最初のシングルの時の印象は？

　忘れちゃったよ、そんなものは。もうプロだったし、やれる喜びとかは別になかったね。そこまで思い入れもなかったし。当時は（阿修羅・）原さんに可愛がってもらっていたし、天龍さんとはプライベートな付き合いもないし、何にもないよ。

――では天龍さんとの思い出というのは「いつか殺してやろう」ということぐらい？

　そうだね。いつか殺してやろうって思っていたよ。

――そんなに思うぐらいの選手は天龍さんぐらい？

　そうだね。天龍さんが最初で最後だな。

――天龍さんに向けてメッセージはありますか？

　それはオレが言うことじゃないよ。お疲れ様でしたぐらいじゃない。でも、時代を作った人だからね、あの人は。レスラーとしてはすごいと思うよ。