【RIZIN】山本アーセンがヒクソン息子と対戦「日本人として負けたくない」

長谷川亮

高田延彦統括本部長

高田延彦統括本部長は「見た人が『伝説の試合だった』というような、そんな戦い、香りを残してもらいたい」と期待する 【長谷川亮】

 大変なカードが決定しました、クロン・グレイシーvs.アーセン。非常にドラマチックな、分かりやすい、どのカードとも空気感や色合い、醸し出すものが違う、背筋が伸びるものを感じています。

 柔術のグレイシー一族とレスリングの山本一族、輝かしい実績を放ち続けてきた一族の誇りをかけた戦い。誰がセコンドにつくのか、アドバイスをするのか、高ぶる気持ちを抑えられない、そんな心境です。「RIZIN」の時計に対し、彼らをケアするヒクソンも郁榮さんもピタリと一致して「RIZIN」に向かう、いい運命を我々は共有している、そんなことも感じている次第です。

 クロンもアーセンも、人間、武道家、アスリートとして、多くの人に夢や影響を与える存在になりうる今後10年だと思います。柔術やレスリングに帰ることもあるでしょう。ただ我々は「RIZIN」で別のアングル、MMAという点から彼らを見続けていける幸福に感謝したい。一族のため、己のために、終わった直後、見た人が『伝説の試合だった』というような、そんな戦い、香りを残してもらいたい。勇敢な若者たちが未来を切り開いていく、チームRIZINも未来を切り開いていきたいと思います。試合に関してはどんな展開になるか予測不能で、そのことで期待が高まります。

山本アーセン

「僕は日本人として負けたくないし、アーセンとして負けたくない」と語るアーセン 【長谷川亮】

 一族と一族が戦うと思うんですけど、僕は日本人として負けたくないし、アーセンとして負けたくないので、最後は思いきりぶっ飛ばして勝ちたいと思います。

 グレイシー一族は絶対諦めないことで有名なので、タフな試合にはなると思います。スポーツ選手って(自分が相手より)すべて上回っていると思うので、寝技以外は自分が上回っていると思います。

 小さな頃から叔父(山本“KID”徳郁)が試合だったら後ろからついていったり、あっちにいる時(=留学中)もUFCを見たり、格闘技で育ったっていうのもあるし、ベースはレスリングですけど格闘技、MMAは大好きです。

(試合出場は)9月ごろ帰ってきて、この話を頂いた時に決めました。(練習も)この話をもらってからで、楽しいです。レスリングと違う新しい刺激があって、完全にハマっちゃってます。(クロンの)印象は寝技スゴいなって思いました。

 今はバンコクでトレーニングキャンプ中で、叔父がストライク(打撃)担当で、寝技は黒帯の先生が来てもらってやってもらっています。今月20日に帰ってくるので、そこからKRAZY BEEでまたやろうと思っています。

(レスリングから総合への)転向じゃないです。夢は東京五輪なので、それは変わらないです。レスリングは絶対やっていきます。

(今回の挑戦を)叔父はすごく喜んでいて、すべてに関してアドバイスをもらっているので何から言ったらいいか、すごくためになっているので、試合に出せればと思っています。

山本郁榮

山本郁榮氏は「アーセンのよさはひるまないこと」と評価している 【長谷川亮】

 子ども3人が世界チャンピオン、孫もカデットで世界王者になって、アーセンのよさはひるまないことです。3歳から世界王者になるまでひるんだことは一度もなく、力を出し切って、日本・ヨーロッパ・世界でやってきました。13歳の時にハンガリーへ一人で留学して、ヨーロッパのレスリングと格闘の精神を身に着けて、日本の大和魂も自然に私と子ども3人を見て育ってきましたので、戦うということに関しては山本一族のDNAです。

 そういう歴史を親子3代、世界のトップでやってきましたので、試合は面白い、手に汗握るものになると思います。グレイシーファミリーも素晴らしいです。世界チャンピオンを育ててきた一族同士、その戦いをしっかり見て頂きたいと思います。

ヒクソン・グレイシー

ヒクソンは「真の戦い」を「RIZIN」のリングに求める 【長谷川亮】

 今回こういう機会を頂いてうれしく、感謝致します。アーセン選手とクロンの試合はチャンピオン同士の試合、MMAの将来を担うニュージェネレーションの試合になるでしょう。

 私のモチベーションが上がっているのは、「RIZIN」が格闘家に武士道精神を戻してくれる仕掛けをしているからです。現在主流になっているユニファイドルールは武士道精神や闘志を削ぎ、短いラウンドの時間やポイントシステム、勝ちに徹するのでなく、負けないようにする、真の戦いから遠ざかるものだと思っています。金網が導入されたのは最初は選手が逃げないようにするためのもので、それはよかったのですが、金網を使って試合をする、押し付けて戦略的に使うことに私は不満を覚えています。リングを復活させることでまた真の戦いに近づくのではと思います。

 クロンは非常にいいコンディションでトレーニングもよくやっています。2人に武運を祈りたいと思います。

榊原信行実行委員長

榊原信行実行委員長(中央)は、高田vs.ヒクソン戦を「見たい希望があれば、どこまでも口説く」と話す 【長谷川亮】

 年末の魔裟斗vs.KIDも盛り上がってもらえれば。

(アーセンvs.クロンは)「RIZIN」オフィシャルルールで行います。彼らだけの特別ルールではありません。66kg契約で、今クロンはは67〜68kgで、アーセンはレスリングでは64kg。なので、そんなに体重差はないと思います。

 アーセンはまだ19歳だし、いろいろなキャリアを積めばいいと思います。今後は二刀流で行って、それが互いに相乗効果でいくのではないかと思います。

(マスターズクラスにヒクソンの参戦は?)ちょっと聞いたら一蹴されましたが(苦笑)、総合じゃなくてもグラップリングでも見てみたい。おいおい口説きます。マスターズは売り込みもすごくて、マリオ・スペーヒー、ムリーロ・ブスタマンチとか色めきだってます。(高田vs.ヒクソン戦も)見たい希望があれば、どこまでも口説きます。

 ヒクソンには我々のフェデレーションの役を見つけられたら。我々がやりたいのはMMAではなくバーリトゥードです。

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著者プロフィール

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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