アメリカズカップに向け必要な“時間” バミューダで見えたソフトバンクの課題
トータルポイントで5位に後退
アルテミス・レーシングが合計52ポイントを獲得し優勝を飾った 【Photo by Lloyd Images/Getty Images】
最終レースとなる第3レースでは、ジャストなタイミングで4チームがほぼ横一線でスタートラインを通過。やや遅れてソフトバンク・チーム・ジャパン。さらにオラクル・チーム・USAがスタート直前の戦術ミスでかなり遅れた状態で追う形で始まった。
中盤、ソフトバンク・チーム・ジャパンはアルテミス・レーシングやオラクル・チーム・USAと激しく競り合う展開。艇が近い状態での競り合いでは、ソフトバンク・チーム・ジャパンと他艇との艇速差はあまりなく、五分の戦いを披露。他艇との競り合いを制して、3位でのフィニッシュとなった。
トータルポイントでは、アルテミス・レーシングが合計52ポイントを獲得し優勝。ソフトバンク・チーム・ジャパンは第3レースでの3位が最高位で、トータルポイントでは5位に後退してしまった。
さらなるチーム力の向上を目指す
ソフトバンク・チーム・ジャパンのディーン・バーカー艇長。戦術面では他チームと大差ない状態にあり、手応えをつかんでいるようだ 【写真:ロイター/アフロ】
この点に関して早福総監督は「今回もいくつかのミスはあったが、チームワークはずいぶん良くなってきている。次の大会までしばらく時間が空くので、クルーワークの手順や役割分担を詰めていければ」とコメント。問題点はキッチリと把握しており今後のトレーニングでさらなるチーム力の向上を目指している。
【協力:America's Cup Event Authority】
またディーン・バーカー艇長は「途中までいい順位を走ることや、後半にほかのチームを逆転する場面もあった」と語っており、戦術面では他チームと大差はない状態だ。
バミューダ大会では、総合順位を落としてしまったソフトバンク・チーム・ジャパンだが、2位のオラクル・チーム・USAまで12ポイント差とまだまだ逆転可能な点差となっている。
課題がしっかりと見えてきただけに、今後のソフトバンク・チーム・ジャパンの戦いに期待したい。
■バミューダ大会成績(3レースのポイント合計)
1位:アルテミス・レーシング(スウェーデン)52ポイント(2位/1位/4位)
2位:エミレーツ・チーム・ニュージーランド(ニュージーランド)50ポイント(5位/2位/1位)
3位:オラクル・チーム・USA(アメリカ)48ポイント(1位/3位/5位)
4位:ランドローバー・BAR(イギリス)44ポイント(3位/6位/2位)
5位:ソフトバンク・チーム・ジャパン(日本)44ポイント(4位/4位/3位)
6位:グルパマ・チーム・フランス(フランス)32ポイント(6位/5位/6位)
■ワールドシリーズ総合成績(第3戦終了時点)
1位:エミレーツ・チーム・ニュージーランド(ニュージーランド)122ポイント
2位:オラクル・チーム・USA(アメリカ)112ポイント
3位:ランドローバー・BAR(イギリス)109ポイント
4位:アルテミス・レーシング(スウェーデン)105ポイント
5位:ソフトバンク・チーム・ジャパン(日本)100ポイント
6位:グルパマ・チーム・フランス(フランス)82ポイント
(協力:ソフトバンク・チーム・ジャパン)