多摩川サイクリングロードでアウトドア 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

休日は賑わう多摩川土手

狛江ダートからスタート 【松原渓】

 今回走ったのは、和泉多摩川駅近くの「狛江境」という口を起点に、東京・世田谷側の左岸を二子玉川〜多摩川まで走り、Uターンして右岸を二子玉川から家まで帰るコース。家を出たのは午後1時すぎ。成城学園前の閑静な住宅街を通る世田谷区の野川自転車道も、隠れた名スポットだと思う。さまざまな植物が生い茂り、人の手の入っていない自然は自転車でも散歩でも、癒されること間違いなしだ。

至る所で少年サッカーや野球の試合も 【松原渓】

 14時すぎに「タマサイ」に合流すると、多摩川土手から賑やかな声が聞こえてきた。少年野球の試合が行われているらしい。土手には、野球やサッカーができる土のグラウンドがたくさんあり、休日は子どもたちの大会で賑わっている。私も小学生の頃、女子サッカーの地区大会を多摩川土手でやったなぁ。

 途中、ご年配の方達のテニススクールや、乗馬体験教室にも出くわした。また違う場所では、いくつかの家族がお弁当を持ち寄って合同ピクニックをしている。お父さんが土手に大の字で寝そべっているのが気持ち良さそうだ。犬にとっても最高の遊び場らしく、伸び伸びと走り回っている。

乗馬教室にも出くわした 【松原渓】

左:整備された道は走りやすい/右:舗装されていない道も 【松原渓】

 サイクリングロードは各自治体が管理しているため、舗装具合は地域によってバラバラで、砂利道や未舗装路もあったし、車道を走らなければならない場所もある。誤算だったのは、ロードバイクはタイヤが細いため、未舗装の砂利道は自転車にも身体にも負担が大きかったこと。タマサイを良く知るサイクリストは、どこが舗装されて走りやすいかを知っているため、右岸と左岸で走り分けるそうだ。出発前にインターネットで調べておくと効率が良いだろう。

お得感たっぷりのアウトドア体験

天気にも恵まれて気持ちよく走る 【松原渓】

 ただ、都会で自転車に乗ると信号や坂道も多いため、それらのストレスがないサイクリングロードは5kmがあっという間に感じた。遮るものが何もないので、風も強くて気持ちがいい。そんなわけで、ほどなく家から15km地点の二子玉川駅に到着。都内でも「住みたい街」の上位に必ずランクインする二子玉川は、ここ数年でさらに再開発が進み、ショッピングセンターや複合施設、高層マンションやオシャレなカフェなど、近代的で洗練されたデザインの窓が並んでいる。ちょっと寄り道をして駅前を流しつつ、多摩川土手に戻った。

疲れたけど……リフレッシュできました♪ 【松原渓】

 ゆっくり漕いでいたら、早くも日が傾いてきた。夕方の多摩川沿いは、マラソンランナーが昼にも増して多くなった。橋のたもとでは、女性のヨガ教室をやっている。夕焼けのグラデーションを仰ぎつつ、どこかから流れて来るトランペットのジャズを聴きながらペダルを漕ぐ。等々力陸上競技場で行われたJリーグ観戦の帰りだろう、ユニフォームを着た親子連れが続々と帰っていく。

 私は等々力で橋を渡り、Uターンして右岸を二子玉川方面へ。二子玉川駅に今年完成した大型複合施設「二子玉川ライズ」で少し早めのディナーにありついた。自然食のイタリアンや定食屋、和食屋などバラエティ豊富なレストランが、夕方5時ごろから一気に混んでくる。エネルギーを充填(じゅうてん)して、1階のオシャレな自転車専門店で電池が切れかかったライトを購入し、家路についた。
 10月に入って日が落ちるのが早くなってきたこともあり、6時を過ぎるとあたりは暗くなった。この日走った総距離は約30km。久々のサイクリングにしてはハードだったせいか、翌日は全身が筋肉痛に襲われた。でも、信号&坂道ストレスのないサイクリングロードを思う存分走ってリフレッシュできたし、「タマサイ」をとりまくさまざまな人間ドラマも楽しめて、こちらもお得感たっぷりのアウトドア体験だった。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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