2冠馬不在の秋、菊花賞を占う 注目は“不当に低い評価”の3番人気?

レベル認定の難しさ

 クラシックが終了した時点では、今年は高いレベルで争われた、という評価になっていました。特に牡馬の場合は皐月賞がレースレコードとコンマ2秒差、そしてダービーではレースレコードが更新されたのですから、記録の上からも、単なる印象によるものではなかったようです。その2つのレースを制したのがドゥラメンテです。

 3冠馬、或いは2冠馬が誕生した世代のレベルを考える際に拠り所になるのは、その馬だけが強かったのか、それとも他にも活躍馬が多数出たのか、になります。今年の場合、古馬との混合戦になった夏以降で、重賞に限ると3歳馬が制したのはセントウルSのアクティブミノルの1頭だけ。

 3歳の初秋までの結果で、古馬とのレベル差を結論づけるのは早計です。サラブレッドがどのタイミングで本格化するのかは、それこそ世代によって差があるかもしれず、秋になってようやく勝ち馬が出た、という点には注目できるのかもしれませんし。

 が、それでも今年は少々寂しい印象もあります。春は良化途上で成長が遅れたものの夏場にメキメキ力をつけた、というタイプがあまり出てこなかった、ということに違いはないからです。

 こういうケースでは、春の力関係に変化はないように思えますが、前哨戦2レースを見る限り、今年はそうでもなさそうです。

俄然混戦模様に?

菊花賞本番でリアルスティールの巻き返しはあるか 【写真:中原義史】

 セントライト記念を勝ったキタサンブラックは皐月賞3着。ダービーで14着と大敗した後に見事に巻き返しました。しかし、このレースではダービー2着のサトノラーゼンが7着に終わっています。更に神戸新聞杯では圧倒的人気を背負ったリアルスティールが2馬身差をつけられる2着に敗れました。ともに休み明けで展開面の不利もあり、本番で見直すことは可能ですが、多少の不安を抱えて大一番を迎えることにはなるでしょう。

 ちなみに前記グレード制導入後の2冠馬不在の2度は、93年のレオダーバンがダービー2着から休養明けのセントライト記念3着後に、97年のマチカネフクキタルはダービー7着後、秋になって神戸新聞杯、京都新聞杯(当時)の前哨戦を連勝して臨み、菊花賞を制しました。

 対照的な臨戦で、ともに菊花賞では3番人気。そこまでの実績を考えると不当に低い評価にも感じられますが、春の2冠馬の不在によって、必要以上に混戦ムードに包まれた結果、なのかもしれません。

 そして今年。1番人気に支持されるのは、前哨戦の勝ち馬2頭ではない可能性が高いです。となると“3番人気”に収まる馬が、もしかすると“不当に低い評価”ということになるやもしれません。

 歴史は繰り返されるのか、それとも新しい歴史が作られるのか。

 たとえ不在でも、2冠馬が菊花賞に及ぼす影響は、決して少なくないようです。

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著者プロフィール

中央競馬専門紙・競馬ブック編集部で内勤業務につくかたわら遊軍的に取材現場にも足を運ぶ。週刊競馬ブックを中心に、競馬ブックweb『週刊トレセン通信』、オフィシャルブログ『いろんな話もしよう』にてコラムを執筆中。

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