勝負の大型連休に入る混セ4球団 残り日程に見る「有利」「不利」
ヤクルト・山田は苦手の巨人戦で奮起なるか
逆転でのリーグ4連覇を目指す巨人にとって阪神を得意とするマイコラス(写真)とポレダの助っ人コンビは頼れる存在になる 【写真は共同】
阪神は直接対決で計27勝36敗2分(ヤクルト12勝10敗、巨人8勝14敗、広島7勝12敗2分)。ヤクルトには勝ち越しているが、巨人戦ではマイコラス(対阪神5試合0勝3敗、防御率1.50)、ポレダ(同6試合1勝5敗、防御率2.75)の両外国人に苦しめられ、広島戦では前田健太(同3試合0勝3敗、防御率0.41)とジョンソン(同4試合0勝2敗、防御率0.67)に完璧に抑え込まれている。苦手な投手を、最後の最後で攻略できるだろうか。
巨人は計33勝32敗(ヤクルト10勝10敗、阪神14勝8敗、広島9勝15敗)と通算では互角だが、阪神戦を得意としている一方で広島戦では大きく負け越している。しかし、その広島との対戦は、9月24日(東京ドーム)の残り1試合のみ。気分的には随分と楽だろう。
各チームがそろえる「エース」と「切り札」
巨人には、リーグ3連覇中という経験がある。昨季も9月以降の29試合で19勝10敗のラストスパートを見せ、シーズン終盤の戦い方は熟知している。ただ、防御率1.94のエース・菅野智之が、今季のヤクルト戦で3試合0勝3敗、防御率6.89。この相性の悪さが、最後にどう影響するか。
一方、阪神では藤浪晋太郎が、今季のヤクルト戦で5試合4勝0敗、防御率2.86の好成績を残している。メッセンジャーも今季のヤクルト戦4試合で2勝2敗、防御率2.86と数字的には悪くない。首位陥落の要因となった“貧打”が、連戦の中で勢いをつかめるか。実戦復帰間近の西岡剛が切り札になれれば面白い。
そして首位・ヤクルト。エースという面では、小川泰弘が10勝7敗、防御率3.11、石川雅規が11勝9敗、防御率3.45と他球団に比べて見劣りするが、チーム打率、チーム総得点トップを誇る打線に、さらにバレンティンが18日の巨人戦(神宮)から復帰予定。“60発男”が手術から完全復活し、最終兵器として爆発すれば、逃げ切りVへの大きな追い風になることは間違いない。
残り2週間あまり。各球団が、それぞれの「有利」「不利」を覆すことができるか。夏は終えても熱気は高まるばかり。シルバーウイークと言えども、ファンには休む暇などない。
(文:三和直樹/ベースボール・タイムズ)