山賀敦之が注目のラグビー漫画を語る 青春時代を思い出させる「ALL OUT!!」
教えてもらう喜びを実感するシーンも印象的
細やかなコーチングを受ける喜びを実感する赤山主将 【(C)『ALL OUT!!』雨瀬シオリ/講談社】
彼はすごい男ですね。練習を自分で率先してバンバンやって、メニューも考えて……これは大変だったと思うんですけど、途中から監督が来てくれて、教えてもらうことに対する喜びが伝わってきました。合宿中にその喜びを実感するシーンも忘れられないですね。
彼は大学でも続けてほしいですね。男前ですよ。
――漫画のキャラクターで代表選手と重なる人は?
これは……難しいですね(笑)。祇園は田中史朗選手(パナソニック)が近いかもしれませんね。小柄だけど、メンタルが強くて。
石清水はリッチー・グレイ(スコットランド代表/身長207センチ)に似ている気がしますね。「貴公子感」というか。日本代表がワールドカップでスコットランド代表と対戦するので(9月23日)、石清水ファンの方は注目してほしいと思います。似てなかったらごめんなさい!
――祇園は初心者から一気にラグビーに熱中していきますが、山賀さんが考えるラグビーの魅力とは?
一回このスポーツに関わってしまうと離れられなくなりますよね。今も仕事でラグビー好きな人に会うと、一気に距離が縮まるんです。団体スポーツでも15人と人数が多くて、そのみんながひとつのボールのために動いて、大きい選手も小さい選手も、太っていても、やせていてもできるということが特別な「何か」をつくっているのかもしれません。
あとは仲間ができます。私は一回スクラム組んだら友達だと思っているんですよ。一回組んだら忘れませんから(笑)。街を歩いていてハッと会って、「去年、組みましたよね」とかよくあるんです。プロップは特に体が触れ合うので、組んだらもう友達ですね。
「ALLOUT!!現象」に期待
日本代表、「ALL OUT!!」のさらなる活躍を期待する山賀氏 【Photo by Yuka SHIGA】
私から、というのはおこがましいんですが、一ファンとして。勝てばみなさんが注目してくれますから、ワールドカップで勝って、ラグビーに注目してもらいたいなと思います。本当に一ファンとして応援しています。
あと、私はプロップだったので、スクラムがすごく強くなっているジャパンが、海外勢とどう組むのか楽しみです。
――「ALL OUT!!」にエールを
これも、私が偉そうなことを言える立場ではないんですが……(苦笑)。
私のころは「スクールウォーズ」(1984年から放送されたテレビドラマ)を見てラグビーを知る人が多かったので、「ALL OUT!!」を読んでラグビーに関心を持つ人が増えてくれたらいいなと思います。
そのためにアニメ化、映画化と進んで、「ALL OUT!!現象」というのが起きてくれるとうれしいですね!
セコム総監督。身長172センチ、体重106キロ。
プロップとして活躍し、日本A代表に選出された経験を持つ。公式戦200試合以上を戦ってノートライ、選手名鑑の変顔、ピチピチの短パン、よしもと新喜劇の舞台で大活躍など、多くの逸話がある。
◆「ALL OUT!!」
作者・雨瀬シオリ。 モーニングツー(講談社)で連載中。
単行本1〜6巻が発売中! 7巻は23日に発売予定。