発見の多いブラインドサッカーの奥深さ 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

リオパラリンピック出場を目指して

 ブラインドサッカーアジア選手権が9月2日(水)〜9月7日(月)まで、国立代々木競技場フットサルコートで開催された。昨年11月に行われた世界選手権に続き、日本は開催国として大会を盛り上げた。今回は、2016年リオデジャネイロパラリンピックのアジア最終予選を兼ねており、出場する6チーム中、上位2チームに出場権が与えられる重要な大会だ。

 ブラインドサッカーのルールや競技の見どころなどは、以前の記事を参照いただければと思う。

生で見るとスピード感がすごい! 【松原渓】

 ボールには鉛を使った鈴が入っていて、転がるとカシャカシャ音がする。プレーヤーはその鈴の音を聞きながらボールを操る。人間は情報の8割を視覚から得ていると言われるが、その視力に頼らないブラインドサッカーは、「音」や「気配」も勝負を決める重要な要素だ。

 FWでエースの黒田智成選手は、自身の得意なプレーについてこう話していた。
「拾って縦に突破して、相手と入れ替わるように中に入り、ゴールキーパーを(フェイントで)動かして逆のファーサイドにシュートを決めるイメージを常に意識してプレーしています」

 調子が良い時には、「キーパーが動いた音や、息づかいで場所が分かることもある」そうだ。その話を聞いてから見ると、普段のイメージトレーニングがいかに重要かがよく分かる。また、試合中ピッチ上に飛び交う選手同士の“指示”に耳を澄ませると(試合中の声援や拍手はコーチングが聞こえなくなるためNG)、短い言葉だけれど分かりやすく無駄がない。ブラインドサッカーの試合を見るたびに新たな発見があり、その奥深さには驚かされる。

1/2ページ

著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント