BBQを美味しく健康的に食べるコツ 管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方

田中夕子

【Getty Images】

 夏から秋へ。外にいるだけでも汗が止まらなかった猛暑も終わり、少し涼しくなった風も心地よく、アウトドアレジャーも楽しいこの季節。スポーツの後に、仲間同士で楽しくアウトドア、と言えば思いつくのはバーベキュー。お肉や焼きそば、外で食べる開放感が食欲を増してついつい食べ過ぎてしまうこと、ありませんか?

 管理栄養士の川端理香さんに聞く「管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方」。シリーズ14回目は「バーベキューのメリット&デメリット」。肉だけに偏らず、手軽に野菜を取り入れる方法や、「食べ過ぎた」と感じた次の日のリセット方法、ダメージを残さずに楽しいバーベキューのコツをお教えします。

「食べ過ぎ」よりも「バランス」に意識を

 大人数でのバーベキューは常にお肉や野菜が焼かれていて、次々お皿に入れて「食べている」印象が強いせいか、多くの人が「食べ過ぎた」と実感するそうです。ところが実際はというと、日差しや暑さの影響もあって普段より食欲は落ちているもの。実はバーベキューでは、思っているほど食べていないのに、屋外や友人たちとの雰囲気も手伝い、かなり食べた気になっていることが多いのです。

 それよりも気を付けるポイントとしては、食材が偏りすぎないこと。最近は食材や調理器具も用意されたバーベキュー場があったり、事前に手づくりの料理を仕込む本格仕様のバーベキューもあったり、一概には言えませんが、ほんの少し気を付ければ実はバーベキューはバランス良くいろいろな食材が食べられる機会でもあります。ひたすら「肉、肉、肉」とお肉ばかりを焼いて食べるのではなく、玉ねぎやピーマン、ナスなどの野菜やキノコ類、エビやイカ、ホタテなどの海鮮類も一緒に焼けばさまざまな栄養を摂取することが可能です。

 “締め”の焼きそばも、そばだけ、肉だけではなく、キャベツや玉ねぎを多めに入れるだけで野菜を取ることができます。それでも野菜不足が気になる人は野菜ジュースを家に帰ってから飲んだり、バーベキューの合間にもキュウリの1本漬けを食べたりすれば、水分補給にもなるので一石二鳥です。(前回記事を参照)

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アルコールだけじゃダメ 水分補給を忘れずに

 そして食材選び以上に気を配ってほしいのが、水分補給です。猛暑は過ぎたとはいえ、まだ日差しも強く、強い紫外線を浴びているので疲労感が強く残り、汗もかいているので水分補給は絶対に必要です。ついついアルコールに手が伸びがちなバーベキューですが、アルコールは利尿作用も高く、飲んでも体外に排出されてしまうので、スポーツドリンクの回でもご紹介したハイポトニック飲料を飲むなど、こまめに水分を摂取するようにしましょう。

焦げたものはNG 食べたら野菜でリセット

 発汗で失われた水分、塩分を補給することが必要とはいえ、バーベキューの時には市販の焼肉のタレや焼きそばのソースなど、味付けが濃く、思っている以上に塩分を摂取しています。家の中ならばしょっぱすぎて食べないような塩コショウの味付けも、屋外の開放感も手伝って「しょっぱいけど、まぁいいか」とそのまま食べてしまうこともあるし、焦げた野菜やお肉もつい食べてしまいがち。余分なものをどうリセットするか、ということも1つのポイントです。

 キュウリの1本漬けや、手軽にそのまま食べられるトマトはカリウムが豊富で、余分な塩分を体外へ排出してくれるお助け食材です。野菜や肉の焦げた部分は体に悪影響を及ぼす活性酸素を発生させる要因でもあるので、できるだけ食べないことが第一ですが、もしも食べてしまった場合はトマトのカリウムで体外に出すように心掛けましょう。

 豚肉や鶏肉、牛肉などの肉類も動物性タンパク質を摂取できますが、食べ過ぎれば当然カロリーオーバーに。さらに、肉類に含まれる窒素が体内にたまると発がん性物質に変わることもあるので、お肉を食べ過ぎたかな、と感じたら野菜を多めに食べて余分なものはひたすら排出する。野菜はカロリーが低いので体重コントロールをするうえでも重要なポイントです。

BBQをまずは楽しんで!

 トマトやキュウリ、焼き野菜を多めに食べるように心掛けても、バーベキューの最中にできることは限られています。そもそも楽しく盛り上がる席で「お肉ばっかり食べたら体によくない」と考えすぎるのもあまり好ましくない。

 バーベキューの時は大勢でコミュニケーションが取れる楽しみを満喫して、次の日にちょっと気を付ける。例えば、普段のランチはコンビニエンスストアのお弁当でガッツリ食べるという人ならば、お弁当の量を減らしてその分は生野菜スティックやサラダを食べるだけにする。バーベキューの翌日は野菜を多めに、特にデトックス効果の高い「色が濃く、匂いの強い野菜類」を多めに取り入れるなど、翌日の食事で調整することを意識しましょう。

川端理香プロフィール

管理栄養士。元日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ。スポーツ栄養Watsonia代表(http://kawabatarika.com/index.php)。Jリーグチームや選手、プロ野球、ゴルフ、柔道選手などのサポートをし、日本オリンピック委員会強化スタッフとして、全日本男子バレーボールチームなどを担当。トップアスリートからスポーツ愛好家まで、スポーツをする人の競技力アップのためのサポートに務めている。著書に『スポーツ選手の完全食事メニュー』『10代スポーツ選手の栄養と食事』『子供の身長を伸ばす栄養と食事』など
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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など、女子アスリートの著書や、前橋育英高校野球部・荒井直樹監督の『当たり前の積み重ねが本物になる』では構成を担当

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