富士登山、歩き方と休憩時のポイント フジヤマNAVIの登山ガイド2015(5)

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基本の歩き方と呼吸法

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 ゆっくり歩く、後ろ足は蹴り出さない、疲れたら深呼吸など、基本的な山の歩き方と呼吸法を学びます。

○ゆっくり歩く
 山歩きの基本は「ゆっくり歩く」ことです。息がハァハァ、呼吸がゼーゼーではいけません。仲間と一緒に登山をするような場合は、お互いに会話ができるくらいのスピードが理想的です。声をかけあいながら歩くと、声の具合から相手の不調を察知することもできますよね。もしも仲間が辛そうだったら、ペースを落とし、少し休憩して気分転換するなどして調整しながら歩きましょう。「登山がつらい」と感じるのは、ペースが速すぎるということです。

○50分くらい歩いたら小休止
「ゆっくり歩く」は、「たくさん休憩をとること」と思っている人がいますが、そうではありません。ゆっくりペースを保って50分くらい歩き続けることです。休憩を取りすぎると疲れてしまうので、できればどっかりと座りこまないほうがいいでしょう。50分歩いたら10分休憩のペースが理想ですが、山歩きが初めての方にはちょっとキツく感じるかもしれません。この場合はあまり時間にとらわれず、疲れきる前に休憩をとるようにしましょう。
○歩幅は小さめに
 脚が長い人はついつい1歩が大きくなってしまいますが、登山ではちょっと我慢しましょう。歩幅が大きいとどうしてもオーバーペースになるからです。山歩きは普段歩くときよりも小さな歩幅くらいでちょうどいい感じです。歩幅は人それぞれ異なるので、身長の低い人が高い人の歩幅に合わせようとすると無理があります。つまり女性は無理に男性の歩幅に合わせなくてOKです。なるべく自分の歩幅で歩くほうが疲れにくいです。

○蹴り出さない
 足を運ぶときに、後ろ足は蹴らないようにしましょう。それだけで疲労度は違ってきます。静かにベタ足で歩くような感覚です。慣れるまでは変な感じがしますが、これが疲れにくい歩き方なのです。段差にはつま先だけで乗らず、靴底全体が置けるような安定した場所を見つけて足裏全体に体重をのせるようにします。こうすればふくらはぎに負担をかけないですみます。急な斜面で後ろ足を強く蹴り出すと、落石を誘発する原因にもなります。注意しましょう。

○段差はなるべく小さいところを
 登山道をよく見てみると、段差の大きな場所と小さな場所があることに気付きます。山歩きの基本は、上りと下りのどちらでも、なるべく小さな段差を見つけること。1歩で行けるような段差を、あえて2歩、3歩と小さく刻むわけですから、ちょっと時間がかかりそうにも思えます。しかし最終的にはこれが一番疲労度の少ない歩き方です。そう、まさにイソップ寓話の「ウサギとカメ」のカメですね。登山は競争ではありません。カメでいきましょう。

○疲れたら深呼吸を
 呼吸はごく自然に、あまり意識しなくても大丈夫ですが、疲れてきたときだけちょっと意識して深呼吸をしてみましょう。いったん立ち止まり、深く息を吸います。吸った息は口から細く長くゆっくり吐き出します。これを2、3度繰り返すと、少し楽になるはずです。心臓がバクバクしてきたときなどに、体をリセットするイメージで深呼吸をしてみましょう。オーバーペースを見直すことにもなり、次の1歩が少し軽く感じられるかもしれません。

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著者プロフィール

“富士山エリアを完全ガイド”がコンセプトの富士山情報サイト(運営:富士急行株式会社)。富士登山や富士山を眺めるハイキングといったアクティブ派向けのコンテンツをはじめ、「地域」や「季節」に合わせた富士山をさまざまな視点から楽しめる特集記事を掲載。また、地元旅行会社と連携した富士登山バスツアーも紹介しています。

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