中学生の大会でバブルサッカーを体験! 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

中学生のプレー姿に懐かしい感情が

 中学生のサッカー大会「コパ・コカコーラ」地区予選が、8月中に全国6カ所(名古屋、大阪、福岡、札幌、浦和、横浜)で行われた。この大会は世界中で行われており、日本は今年で3年目を迎える。私はこの大会にMCとして参加させていただき、どの会場でも新鮮な発見があった。

 選手たちのゴールを決めて弾ける笑顔や、負けを受け入れられずに悔しさいっぱいの表情。すべてのプレーに全力で一喜一憂し、夢中でボールを追いかける姿に懐かしい感情が喚起された。

 また、この年代にチームプレーを体験することの大切さもよく分かる。中学時代は自我が発達し、自分の意志で自立への一歩を踏み出す大切な年代でもある。そんな多感な時期に、一つの目標に向かって協力し合うことや、自分とはまったく違う個性を認めることの大切さもチームプレーを通じて学んでいく。

 参加資格は中学生ということだけで、さまざまなカラーを持った個性的なチームが出場し、優勝を競う。たとえば、プロを目指す選手が揃う才能豊かなチームに、サッカー初心者ばかりのチーム。中学1年生だけの若いチームに、高校受験前最後の思い出づくりとして参加する3年生チームもある。他にも、全員女子の華やかなチームやテニス部や野球部や管弦学部に所属するメンバーが集まったチームなど、とってもオープンでユニークな大会だ。

「8人制サッカー」+「バブルサッカー」

夏は暑そう……。でもバブルの通気性は良好 【松原渓】

 地区予選で優勝したチームは、北澤豪さん(元日本代表、サッカー解説者)や松木安太郎さん(サッカー指導者・解説者)らも参加して、9月末に行われる1泊2日の「コパキャンプ」に招待される。さらに、世界のスター選手が集まる「FIFAクラブワールドカップ2015」にフラッグベアラーとして参加し、選手と一緒にピッチに立つチャンスもあるというのだから、どのチームもモチベーションが高い。

 同じ条件なら「サッカー部の選手たちが揃うチームが有利では?」と考えてしまうけれど、そうは言いきれないところも面白い。なぜなら、コパコカコーラでは、「8人制サッカー」と「バブルサッカー(5人制)」の2競技で優勝を争う。サッカーで負けたとしても、バブルサッカーの結果で挽回することができる。そして、サッカーのうまさ=バブルサッカーのうまさ、とはならないところがミソだ。
 ノルウェーのサッカーバラエティ番組で2009年頃に誕生したというバブルサッカーは、その名の通り「バブル」を装着して相手とぶつかり合い、ボールをゴールに入れる。ニュースポーツとしてヨーロッパ各国、米国、オーストラリアなどを中心に人気が高まり、公式戦も増えているのだとか。

 ただ、歴史が浅いこともあって世界的に統一されたルールはなく、基本的には4対4か5対5で行われ、コートはおよそフットサルコートのサイズに近い。大きなバブルを身につけてボールを操るのは難しく、自らも転がりながら全身を使うので意外とハードなスポーツだ。

 でも、何よりやってみたいと思わせるのが、プレーヤーたちの楽しそうな表情。「トランポリンのような感じかな?」「無重力の宇宙空間に似ているのかも?」などと、想像は膨らむ。以前からバブルサッカーは気になっていて、ずっとやりたいと思っていたのだけれど、機会がなかった。そんなわけで、この大会を通じて初めて試合をじっくり見て、競技の魅力に触れることができた。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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