中学生の大会でバブルサッカーを体験! 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

タックルされても楽しい!?

中の空洞に入ってバブルを背負う 【松原渓】

 装着するバブルは「BUMPER」という巨大なビニール製の球体。中央に上下を貫く空洞があり、その中についている紐でバブルを両肩に背負い、両手で前の取手を掴んで持ち上げる。重さは11〜13kgも! しかし、バブルを背負ってみると、意外と軽々持ち上げられるから不思議だ。
 ただ、両手が出せないのでバランスが取れないし、サッカーと比較すると視野がかなり狭い。相手から足でボールを奪おうとすると、足よりも先にバブルがぶつかってしまうので、もどかしい!? 「チームで1つのゴールを目指す」という点ではサッカーやフットサル、バスケなどと同じだけれど、ゴールまでのプロセスやルールはまったく違う。サッカーができると油断してかかると大きなしっぺ返しを食らうことに……。

 驚いたのは、反則がほとんどないこと。唯一、「ボールがバブルの中に入った状態でボールを運ぶこと」は反則になるが、他はほとんどファウルにならない。ボールを持っていないプレーヤーへのタックルも可能なのだ。大会ではバブルサッカー初体験の選手がほとんどだったため、慣れないうちは遠慮気味にボールをつないだり、ぶつかり合うことも少なかった。しかし慣れて来ると、みんな躊躇(ちゅうちょ)せずにぶつかり合い飛ばし合い、楽しそうな悲鳴が飛び交った。

 サッカーなら一発レッドに違いない故意のアタックも、バブルサッカーでは作戦のひとつ。ぶつかられても、分厚いバブルがしっかりと身体を守ってくれるので、タックルされて2回転、3回転……と転がっても、もちろん無傷。転がるのも楽しいので、タックルされても怒るどころかみんな笑っている。

 ただ、バブル同士が全力でぶつかった時には「バッチーーーーン!!」と、弾けるような大きな音が響く。この音に闘争本能を刺激され、普段は大人しい人も、バブルに入ったら豹変(ひょうへん)してしまうかも……? 気がつくと、私を含め、周囲の応援にもかなり熱がこもっていた。また、一度転ぶと起き上がるのがなかなか大変で、審判が選手を起こしてあげるというシュールな光景も見られた。

運動神経がなくてもOK、誰でも楽しめる

空気を入れる前はこんな感じ。バブルのレンタルも可能 【松原渓】

 試合を見る中で感じたコツとしては、まず、バブルを持ち上げて足元をなるべく自由にすること。ピッチ内にはバブルがひしめき合うため、シュートコースはほとんどないが、裏を返せばその死角を利用するのも有効。バブルの上を一気に抜ける長距離のループシュートや、鋭いグラウンダーのトーキックなど、意外なタイミングで放たれるシュートが決まっていた。

 また、かなり前からディフェンスに行くと、DFがクリアしようとしたボールが、バブルにはね返ってそのままの勢いでゴールに入ることも。バブルは「障害物」ではなく、扱い方次第で強力な「武器」になる。

 点を取った後の喜び方もバブルならでは。味方とのハイタッチならぬ「バブルタッチ(!?)」で、味方同士のタックルも見られた。バブルを着たままでのゴールパフォーマンスも考えると面白いかも?

最後に、バブルサッカーの魅力を下に挙げた。

・運動神経がなくてもOK
・体力、体格差、年齢、性別を問わず楽しめる
・バブルを背負ってカロリー消費アップ!
・バブルで弾けてストレス発散。童心に帰れる
・屋内でもできるので天候、季節に左右されない

 体験は、全国のラウンドワン、スポッチャなどでプレーができる。皆さんも一度バブルで弾けてみては?

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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