日本から発信する新しいレガシーの形 ラグビーW杯を地域活性化に生かすために

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

「何を残せるかは結果でしかない」

第2部では、モデレーターの西機氏も参加してパネルディスカッションが行われた 【スポーツナビ】

 休憩を挟んで行われた第2部では、モデレーターの西機氏も参加し、3名によるパネルディスカッションが行われた。以下はディスカッションの要旨。

西機 「レガシー」は日本人にはなじみの薄い言葉です。日本なりの表現の仕方や定義、言葉など、この言葉の意味を理解しやすくする伝え方はありますか?

仲伏 良い日本語は今のところ見つかっていません。かつ、定義も定まったものはあるわけではなく、むしろ私は決める必要はないと思っていて。それぞれの地域、立場の人が五輪、ラグビーW杯を使って、社会の課題、新しい社会を創るなどといったことに、どうやってつなげていくかを考えた結果がレガシーであって、「こうでないといけない」といったものはないと思います。19年のラグビーW杯、20年の五輪後に良い言葉が生まれているかもしれませんが、今は必死になって考えることではないでしょうか。

増田 仲伏さんに賛成です。確かに残したいもの、残るもの、つないでいきたいものというイメージがあると思いますが、何を残せるかは結果でしかありません。

仲伏 先ほどロンドン五輪のハード以外の(レガシーの)例も紹介しましたが、他の過去大会も含めて関係者の説明を聞くと、実際にはハードに偏っているんですね。だから、逆にW杯や東京五輪で、ハードでないレガシーの残し方を見せられれば、新しい大会の価値、スポーツの価値を日本から発信することができると思います。

増田 釜石市は日本で最初に鉄を作った町です。製鉄所があったから、高校生などラグビーをやっていなかった若者を集めて鍛え上げて、そこに(新日鉄釜石ラグビー部で活躍した)森重隆さんや松尾雄治さんがいらして、日本一を取れたというストーリーがあります。そういうものの蓄積がレガシーになっていくと思います。

市民主体の大会づくりでレガシーを残す

西機 ラグビーの力、ラグビーだからこそできることについての、アイデア、意見、期待などがあれば教えてください。

増田 釜石市はラグビーで有名なので、世界の人たちも、ラグビーの町が(震災で)ああいうふうになっているのを知り、いろいろなことをしようとしてくれました。理屈抜きにいろいろな行動をとってくれるのがラグビーの良さだと思います。それを今回のW杯でも「(ラグビーは)良いな」と思ってもらえるような仕掛け方ができればと思います。

仲伏 これは実際に高校時代にラグビーの試合をして感じたことなのですが、ラグビーは他のスポーツと違って痛いし、試合中もけっこう理不尽なことが多いですよね。これが、人材育成につながる可能性があると思います。特に少子化で、子供たちはなかなか厳しい局面や修羅場を経験することが少なくなっています。それを経験させる一つのツールとしては、他にはない特徴があります。

西機 ラグビー関係者でない老若男女さまざまな人が企画から参加する機会や、そうできるように仕向けるものはありますか?

仲伏 そういう場が保障されているわけではありません。ただ、われわれ自身が市民や地域の人が参加できる場をつくれるよう、声を上げること(が必要)だと思います。新国立競技場の建設問題も、市民があれだけ声を上げたことによって見直された面もかなりありますよね。ラグビーW杯も同じように、開催の何年も前から市民が一緒になって企画段階から参加していくというような流れをつくり、今までの日本になかった、市民が主体になるというレガジーが残る。これが一番大きいのではないでしょうか。

西機 私もまず考えて、言い合う機会を設けることが大事なのではないかと感じています。

増田 開催都市住民、地域、さらには合宿なんか含めると数十のところが直接大会に関わってきます。まずは地域の方々がどういう大会にしたいか、大会をどう生かして町づくりをしていくかについて議論する機会を設ける。そういったところまでを協会なり組織委員会などがつくるのが、一つの方法だと思います。

「あなたにとってラグビーとは」

仲伏 私をアイルランドに導いてくれたものです。W杯南アフリカ大会の日本対アイルランドの試合を見て、終わった後のパブでアイルランド人と一緒に飲んだり、国歌を歌ったりして。そこからアイルランドに関心を持って好きになり、アイルランドにも行くことになりました。そういう意味で、アイルランドに引き合わせてくれたきっかけがラグビーと考えています。

増田 「ラグビー・イズ・ライフ」「ライフ・イズ・ワンダフル」。ラグビーもワンダフルですし、ライフもワンダフルだと思います。

協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会

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