UFC JAPAN参戦の山本“KID”徳郁を直撃「同い年のメイウェザーぐらい稼ぎたい」

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勝つまで辞められない

同じ年のメイウェザーを見て「俺もまだまだいける」と刺激を受けたという 【(C)WOWOW】

――3年ぶりの日本大会ということについて、何か思いはありますか?

 いや、まったく。「3年も経ったんだ?」って。時間の感覚があんまないから。何年あいたとか、何年前とか、あんま考えたことない。

――でも、あの頃が一番、身体のバランスが崩れてたんじゃないですか?

 いや、あの試合だけじゃなく、UFCでの最初の3つは、俺も覚えてないです。まったく別人って感じで。身体も闘えるような状態じゃなかったから。よく闘ったなって。普通に私生活でもボロボロだったから。

――UFCデビュー戦の相手が、いまのフライ級絶対王者であるデメトリアス・ジョンソンですからね。

 でも、あんときの俺であそこまでやれたんだから。あんときの俺だったら、1ラウンドでやっつけないと(笑)。(堀口)恭司があんときの俺と闘ったら、速攻で俺のことKOしてたと思うから。

――そんな状況から、いまはだいぶ復調して。先日のUFC日本大会カード発表記者会見では、「リラックスして試合ができたら、全然大丈夫」と言ってましたよね。

 リラックスと言っても、身体はリラックスで、神経はピリピリ研ぎすます、それがベスト。頭もリラックスしたら、いつの間にか寝てるってことになっちゃうから(笑)。感覚は研ぎすまして、身体をリラックスさせる、それが目標ですね。

――それができたら、相当強い自分を出す自信がいまはあるわけですね。

 それが完全にできるようになるのがいつになるか!? UFCでできたらいいんだけど。

――戦績だけを見てみると、5年間も勝利から遠ざかってるわけじゃないですか。

 そうですよね。5年ってあっという間ですね。でも、5年間、ゆっくり休めたと思えば、それでいいかなって。

――5年分、充電できたぐらいの気持ちですか?

 そうっすね。勝つまでは辞められないし。勝っちゃったら、その瞬間、「辞めよ」ってなるかもしれない(笑)。まあ、それはないな。もっと勝利が欲しくなる。

――では、まだまだ全然、自分の現役としてのゴールは考えていませんか?

 試合に関しては、一個一個、目の前の試合のことしか考えないから。それより、身体の使い方を日に日に覚える。そのほうが、結果がついてくると思うし。

メイウェザーを見て「俺もいける」

――ちなみに堀口選手は、KIDさんより年齢が一回り以上下で、「山本KIDの愛弟子」って呼ばれますけど、KIDさん自身は“弟子”っていう感覚あるんですか?

 俺は弟子っていう感覚、誰もいないですね。もうチームメイトだから。みんなウチのプロの選手は、ちゃんと意見を言い合う。誰かが欠点があったら、みんなで解決策を考えるし。俺も悪いところは絶対にあるから、そこをみんなからアドバイスもらってるから。だからアドバイスのしあいで、あんまリーダーとか決めないほうがいいんじゃないかな。ただ歳は一番上なんで、ムードを壊さないように、逆に上げていく立場になればいいかなって。

――いまKRAZY BEEは充実していて、みんな上がってきてますよね。

 それはみんなの助け合い、アドバイスをし合ってるから、みんな上がってるんだと思うし。それで、俺も上がってきたと思うから。

――では、そういういい状態で今度の日本大会に臨むことができると思いますけど、対戦相手のマット・ホーバーの研究はもう始めてますか?

 身長が177センチっていうことと、サウスポーっていうことぐらい。でも、ウチはサウスポー、めっちゃいるから。あとはちょっとデカい人と練習すれば大丈夫。もうちょっとしたら、相手の癖とかちょろっと見てみようかなって。

――177センチというと、バンタム級としてはかなりの長身ですけど、やりづらさは感じませんか?

 そこまでデカいのとやったことはないけど、うちのジムにもそんぐらいの連中はいるし。階級は上だけど。その階級上のヤツと練習してたら大丈夫かなって。

――これまで大きい選手とはずっとやってきましたしね。

 70キロでやってたから。だから心配はしてないけど、安心もしないで。しっかり、やっていきたいと思います。

――ちなみに(日本時間)7月26日「UFC in シカゴ」では、KIDさんと同時代に活躍してきた五味隆典選手が試合しますけど、何か感想はありますか?

 頑張ってほしいですね。やっぱり同じ時代を闘ってきたし、勝ってほしいですね。なんか、彼も彼ですごいいいキャラしてるし。彼のことは、そんなにわかってるわけじゃないけど、強い心、図太い心を持ってると思うから、全然いいと思う。

――まだまだ、この世代が強いところを見せたい気持ちはありますか?

 ありますね。最近は、いろいろと発達してるから、まだまだ身体も大丈夫だと思うし。一番悔しいのが、ボクシングの(フロイド・)メイウェザーが同い年なんですよ。その同い年のヤツが(パッキャオ戦の1試合で)200億ぐらい稼いでるっていうんで、「コノヤロー」と思って(笑)。でも、それイコール、「俺もいけんな。年齢なんて関係ない」って思えたから。

――メイウェザーに負けず、まだまだ稼ぐぞ、と(笑)。

 それは稼がないと! ジムもあるし、家族もいるし、買いたいものもまだまだあるし。200億との差を少しでも縮めないと(笑)。

――でも、UFCというのは、そういう夢がある舞台ですからね。

 そうですね。だから、まだまだいきたいですね。俺は、ようやくここからなんで。

(取材・文:堀江ガンツ/WOWOW UFC解説者)

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延期されていたバンタム級タイトルマッチ、ディラショーvs.バラオンの再戦がいよいよ実現!昨年のUFC JAPAN以来の復帰となる五味隆典の復活にも注目!
7月26日(日)午前9:00〜[WOWOWライブ]※生中継
ゲスト解説:山本“KID”徳郁、堀口恭司(UFCファイター)

<主な対戦カード>
バンタム級タイトルマッチ:TJ・ディラショー × ヘナン・バラオン
女子バンタム級:ミーシャ・テイト × ジェシカ・アイ
ライト級:ジョー・ローザン × 五味隆典


★生中継!UFC−究極格闘技− UFC190 in ブラジル 女王ロンダ降臨&ノゲイラ兄弟ダブル参戦!
女王ロンダ・ラウジーがブラジルにやって来る!さらにノゲイラ兄弟がダブル参戦。弟の相手はなんとショーグン。
8月2日(日)午前11:00〜[WOWOWライブ]※生中継
ゲスト:福田充徳(チュートリアル)

<主な対戦カード>
女子バンタム級タイトルマッチ:ロンダ・ラウジー × ベチ・コヘイア
ライトヘビー級:マウリシオ・ショーグン × アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(弟)
ヘビー級:ステファン・ストルーブ × アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(兄)


★「生中継!UFC JAPAN 2015」
9/27(日)午前8:30〜[WOWOWライブ]全試合を生中継!

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