痩せているよりも、強い体がかっこいい L.A.発のダイエット&ワークアウト本

猿渡由紀

【Jennifer Cohen】

『Strong is the New Skinny』 【Jennifer Cohen】

 L.A.の有名フィットネスエキスパート、ジェニファー・コーエンが、ダイエットとワークアウトの指南書『Strong is the New Skinny』を出版した。タイトルは、“痩せているよりも、強い体がかっこいい”という意味。

 食事、運動はもちろん、心構えや生き方への姿勢を通じて、肉体的にも、精神的にも、最も強いバージョンの自分を築き上げていこうというのが、この本の趣旨だ。メディアにも頻繁に登場する彼女の新しい著書とあって、各方面から注目を集めている。

“現実的”に焦点を当てたアプローチ

【Getty Images】

 具体的な食事法やワークアウトプログラムはもちろん紹介されるものの、本の冒頭の部分で、コーエンと共同著者のステイシー・コリノが、精神的な部分にたっぷりとボリュームを裂いているのが、この本の特徴。この本を読む人の多くは、これまでにダイエットにトライして失敗した経験があるはずで、強い自分を築いてくためにはどんな姿勢で挑むべきなのかが、説得力をもって説明される。

 過去にシェイプアップを試みて、それをとても辛く感じたとしたら、やり方が間違っていたのだと、この本は主張する。最大のフィットネス効果を得るための要素は、「筋肉を強くする運動」「有酸素運動」「柔軟性を高めるための軽い運動」の3つの要素を混ぜること。さらに、体に良い食材を使った食事を定期的に摂り、間食もしっかり計算しつつ、ワークアウト中の飲み物も正しく選ぶことが大切だ。
 また、プログラムは、誰かのやり方をそのまま真似するのではなく、個人に合わせて組むべきだという。そのための柱となるのが、「Specific」「Time」「Action oriented」「Realistic」で、頭文字を取り、それを「スター(STAR)」と呼んでいる。つまり、ターゲットを細かく決めて、ここまでにという時間の上でのゴールを設定し、そのゴールのために、現実的なステップを取ることだ。

「現実的」という言葉は、この本で何度も使われる。今までまったく運動をしていなかった人が、突然ジョギングを始めようと決めて、初日に10キロ走ったとしたら、体に無理が生じて当たり前。その都度、今の自分に正しいゴールを設定し、少しずつレベルアップをしていくべきなのだ。そうやって体が強くなっていくにつれて、もっと頑張ろうというモチベーションも高まってくると、この本は説いている。

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著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

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