ラグビー日本代表、「ペップ流」で進化 エディーHCがバイエルンで得たこと
9月のワールドカップに向けて始動
日本代表のエディー・ジョーンズHCは「W杯までのすべての試合に勝利したい」と語っている 【斉藤健仁】
4月6日から宮崎にて、ラグビー日本代表が、韓国代表と香港代表とホーム&アウェイで対戦する「アジアチャンピオンシップ」(4月18日〜)に向けた合宿をスタート。9月にイングランドで開かれるワールドカップを控えているため、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は「ワールドカップまでのすべての試合に勝利したい。それが今年の成功につながる」と気合い十分だ。もちろん成功とは「ワールドカップで勝利して決勝トーナメント(ベスト8)に進出すること」である。
「ドローン」を使って練習をチェック
日本代表の練習に導入された「ドローン」 【斉藤健仁】
実際に、合宿初日から「エディー・ジャパン」の代名詞である、9番や10番の横にFWを配置する「アタック・シェイプ」の動きをドローンで撮影。9番を起点にした攻撃では、FWの選手がインサイドをえぐるように走らせたり、10番を起点にした攻撃では横に立っているFWの間でパスを交換したりと、「新しい形」(SH日和佐篤/サントリー)を試した。アタッキングラグビーを標榜(ひょうぼう)する日本代表らしいメニューと言えよう。
コーチ陣には元イングランド代表選手と元フランス代表選手、そしてウェールズ代表とオーストラリア代表でコーチ歴のある指導者が脇を固める。スポットコーチには、スピードトレーニングスペシャリストであるオランダ人のフラン・ボッシュ氏、1対1のタックルを指導する元オーストリアの13人制ラグビーのプロ選手のマックス・マニックス氏、タックル時のアップ&ダウンのスピード強化を担当する元総合格闘家の高阪剛氏を招聘。ジョーンズHCは「通常のスタッフだけでなく、スペシャルスタッフを追加して、選手たちに最高の状態でワールドカップを迎えるようにしたい」と万全を期する。
「バイエルンに行って恥ずかしい思いをした」
ジョーンズHCは昨年12月にバイエルン・ミュンヘンのグアルディオラ監督を訪ねた 【写真:ロイター/アフロ】
昨年12月、2014年の日本代表を総括する記者会見でジョーンズHCは、帰国する前にサッカーのバイエルン・ミュンヘンを訪れ、長い時間、「世界一のコーチ」と高く評価する「ペップ」ことジョゼップ・グアルディオラ監督と会談していことを明かした。4月2日に行われた講演では「良いコーチになるためには常に勉強しないといけない。私は今年で55歳、コーチ歴20年になりますが、バイエルンに行って恥ずかしい思いをした」と吐露していた。