高まるヒディンク監督へのプレッシャー オランダ各年代に見られる“ナイーブさ”
ヒディンク批判だけではフェアでない
ヒディンク監督へのプレッシャーは高まるばかり。しかし、チームのクリエーティブ不足もまた否めない 【写真:ロイター/アフロ】
だが、ヒディンク批判だけではフェアでないというもの。チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグにおけるオランダリーグ勢の不調に象徴されるように、オランダサッカー界の低迷ぶりが、代表チームのパフォーマンスにも影響している。トルコ戦の残り30分で196センチのバス・ドストを投入し、飽くなきロングボールの放り込み作戦に出たのは、指揮官もチームのクリエーティブ不足を自覚していたからだろう。
オランダU−21代表は、フランスと親善試合を戦って、無残にも1−4で負けてしまった。その内容を見ると、悪コンディションのピッチでもグラウンダーのパスでビルドアップしようとし、簡単にボールロストを繰り返しピンチを招いていた。この“ナイーブさ”は、オランダリーグ、オランダ年代代表、オランダA代表のいずれでも見られる風景だ。それでもオランダU−19代表はなかなかいい素材がそろっており、ユーロU−19予選を勝ち抜くなど、チーム、選手ともに飛躍が期待できる。
オランダA代表は3月31日、スペインと親善試合を行い、2−0で快勝した。両チームとも大幅にメンバーを落として戦ったが、それでも若手のクラーセンとデ・フライが伸び伸びとプレイした上、ゴールを決めるなど、オランダの明日にとっては明るいものになった。現金なもので、オランダの新聞も「新鮮な力でオランダ、スペインに快勝。フース・ヒディンクもほっと一息」(アルヘメーン・ダッハブラット)と明るい論調に戻った。きっと、批判疲れの反動だろう。
次の試合は6月12日、ラトビアとのアウェーゲーム。前回、ホームで6−0と大勝した相手だ。各国リーグが終了し、準備をする時間も確保できることから、チームの完成度を高めて挑んでほしい。