ベガルタ仙台、もう一度被災地のために 復興のシンボルとして戦う覚悟と決意
超満員となったホームでの開幕戦
今季のチーム始動日、渡邉監督(左)と選手たちは被災地を訪問。クラブとしての決意を新たにした 【写真は共同】
こうして始動したチームはキャンプを経てホーム開幕戦を迎えた。対戦相手はモンテディオ山形。4年ぶりのみちのくダービー。チケット発売日にほぼ完売となったこともあり、19375人もの観客で超満員となった。
試合前、仙台の西川善久社長のあいさつでも改めて「被災地のため」という言葉が聞かれた。そして震災直後に誕生し、もうすぐ4歳となる瀬川誠仙台大派遣コーチの長男がフェアプレーフラッグベアラーを務めた。そして選手入場後、改めて被害に遭われた方々に哀悼の意を表し、黙とうが行われた。もう一度被災地のために戦う。クラブとしての決意の表れが試合前のイベントの端々に感じられた。
震災を決して忘れない
開幕戦は途中出場したウィルソン(左から2人目)の2ゴールで山形に快勝。幸先の良いスタートを切った 【写真は共同】
渡邉監督は試合前ミーティングで「われわれは復興のシンボルとしてこれからも戦い続けなければいけない。それをプレーで表現する絶好の機会だ」と話したという。「試合の前には黙とうもありましたし、われわれはあの日を忘れずサッカーを通して被災者の方を勇気づけたい、元気づけたいという活動はこれからも続けていかなければならないと思います」と改めて被災地のために戦う決意を試合後の会見で語った。
渡邉監督は「昨年(3月8日に)鹿島に敗れたことを考えれば、今日はいくらかでも被災地の方々が少しでも勇気と元気を持ってくれればと思っています。しかしこの1試合で何かが変わるわけではありません。まだまだ道半ばの復興に対して、われわれはピッチ外での活動も通して復興のシンボルとして進んでいきたいと思います」と語る。ピッチ内では全力で戦う姿を見せ、ピッチ外でも被災地復興のための活動を進めていく考えだ。
15年3月11日14時46分。チームは今年も被災地を訪れるという。震災を決して忘れない。そしてもう一度被災地のため、全力で戦うシーズンが幕を開けた。