「キョンシー」練習が走りを楽にする! 今からでも間に合うマラソン大会への準備

細野史晃

【Getty Images】

 マラソン大会直前でも間に合う、効果的な練習方法をお伝えするシリーズ第2回。第1回では「スキップ練習が有効」というお話を紹介しました。もちろん、スキップだけでもかなり効果があるのですが、より楽に走れるようになるには何が大事なのか?

 今回も、30分でアスリートのように軽やかに走れるようにする「楽RUNメソッド」の開発者でもある、ランニングコーチの細野史晃さんに、そのポイントと練習方法を伺いました。

大事なのは「重心」

 スキップ以外により楽に走るようになれる方法はないか? ということですが、結論から言うとあります。ただし、よく言われている腕振りとか脚の動きではありません。

 ポイントになるのは
「体の重さを上手に利用して走ること」
です。

 走りというのは、いかに効率良く体を前に進めるかが大事です。 そのときに理解しておく必要があるのが「重心」という考え方。体の一番中心の部分、重さがかかるポイントが前に進んでいることが、効率の良い走りにおいて最も重要なんです。
 脚の動きや腕がどれだけ動いても、重心が動いていないと体は前に進みません。なので、重心の位置を意識しましょう。

キョンシー練習をやってみよう!

 具体的には、走るときに、重心を上半身に持っていくような意識を持ちましょう。イメージはみぞおちとおへその間を、斜め上に引き上げる感覚です。その姿勢を作った上で、前に引っ張られるように走ります。

 ここで「上に意識を持っていくの?」と疑問に思う人がいると思うのですが、体重の6割は上半身にあるのです。この重い上半身よりも下半身が先行してしまったら……走りづらそうですよね。そう考えると意識は上半身に置く、というのはなんとなく理解できるのではないでしょうか。

では、この感覚をどうやって身につけたら良いのか。DVD「楽RUN by 細野史晃」から「キョンシーの動き」という動作の動画を一部抜き出してご紹介します。
 どうでしょうか? 少しイメージはつきましたか? なかなか重心のイメージをつけるのは難しいので、手で引っ張って上げることで重心を意識しやすくします。こうして、体をより前に運ぶ感覚を身につけていきます。

箱根駅伝やマラソン大会で走るトップ選手の軽やかな走りの秘訣(ひけつ)はこの感覚にあります。これは誰にでも、今スグに身につけられるものです。だからこそ、まずは感覚を身につける動き作り。そして直前だからこその動き作りです!

 ぜひ、前回のスキップとともに意識して、キョンシーのトレーニングも行ってみてください。

DVD『楽ラン by 細野史晃』

 ランニングフォーム改善に役立つ方法を紹介したDVD『楽ラン by 細野史晃』発売中! 「スキップ」練習のほか、楽に体を動かす事で走力アップを目指しましょう。
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著者プロフィール

ランニングコーチ・スポーツコンサルタント。 Sun Light History 代表 1985年、京都生まれ、東京育ち。都立小石川高校(現・東京都立小石川中等教育学校)→国立埼玉大学→株式会社リクルート HR マーケティングを経て、ランニングコーチとして独立。中学から陸上競技を始め、高校から三段跳へ転向、大学時に日本ランキング入りを果たす。指導者がいない競技人生を経験し、よい指導者や指導法との出会いはスポーツをより豊かにするという思いから指導者を志す。自身の経験と学びから『楽RUNメソッド』を開発。短時間の指導でも自己記録更新まで導く手腕には定評がある。指導者のみならず、スポーツの価値を高めるためのアドバイザーとしても精力的に活動している。 主著「マラソンは上半身が9割」「マラソンは三日坊主で大丈夫!」

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