強い「神鋼ラグビー」が帰ってきた理由 チームを変えた“ゴールド革命”
ミーティングは1日に3回行うことも
トップリーグのトライ王に輝いた新人WTB山下楽平 【斉藤健仁】
「改善すべき点が多くあったのは事実。細かいところまでカバーするにはミーティングが必要ですし、プロフェッショナルとして、上位と対戦するには時間と労力をかけないといけない」(ゴールドHC)
試合があった次の週の月曜日のBK(バックス)ミーティングはこうだ。BKで試合に出ていた全員に個々の良かったプレーとそうでなかったプレーが編集され、送られる(全員にiPadが配布されている)。そして、その映像を見て自分の意見を考えた上で、コーチ陣、控え選手も一緒になってディスカッション。さらに、次の試合に備えて、コーチ陣とインサイドBKのレギュラーで「どう強みを出して戦うか」を話し合っている。
橋本主将「必ず優勝できる」
橋本主将(左)は「勝つために誰も妥協することがなくなった」と力強く語った 【斉藤健仁】
FL橋本主将も「ラグビーに対する姿勢、意識が、もう一段階高いレベルになったと感じています。80分間、勝つために誰も妥協することがなくなった。この1年、やってきたラグビー、スタンダードが出せれば、必ず優勝できる」と語気を強めた。
ゴールドHC「みんなで祝うことができれば一番」
プレーオフ準決勝では清宮監督(右)率いるヤマハ発動機と対戦する 【斉藤健仁】
また「先を見ることが一番危険」(ゴールドHC)と準決勝に集中している。指揮官は「ヤマハ発動機はFWが強く、競争力のあるチーム。ただ、前回(40対10で勝利)と同じようなディフェンスと、相手のFWを起点とした攻撃をするチャンスを奪うことができれば、同様のパフォーマンスをすることができる」と自信ものぞかせた。
そんなゴールドHCは「家族の問題」で、このプレーオフを最後に、日本を離れて南アフリカのスーパーラグビーチームのシャークスのディレクター(総監督)に就任する。「いくつか自分を駆り立てるものがあります。神戸製鋼も日本も本当に良くしてくれました。また神戸にとっても震災から20年目の節目の年です。プレーオフで良い結果を残して、みんなで祝うことができれば一番です」と、このときばかりは熱血漢もしみじみと語った。
赤い軍団が「ゴールド革命」を完遂するまで、あと2勝となった。もともとHO(フッカー)という巨漢が冬空に舞い、有終の美を飾ることができるか。