武藤が足4の字でW-1王座初防衛に成功 船木と鈴木が試合そっちのけ大乱闘

佐瀬順一

真田の挑戦を退けW−1王座初防衛に成功した武藤 【横田修平】

 12月22日、東京・後楽園ホールで行われたWRESTLE−1「WRESTLE−1 TOUR 2014 INCANDESCENCE」。超満員となる1320人もの観客が集まった中、メインイベントでは11月1日東京・両国国技館で行われた自身のデビュー30周年記念大会にてWRESTLE−1チャンピオンシップ第2代王者となった武藤敬司に真田聖也が挑戦した。

ドラゴンスクリュー返しに成功するも…

ドラゴンスクリューを何度もトライアングル・ランサーで切り返して見せた真田だったが… 【横田修平】

「時代を変えるというよりも変えなきゃいけないと思います」と語っていた真田は、この日のために武藤がヒザへの低空ドロップキックからドラゴンスクリューを狙った瞬間、腰を落としてトライアングル・ランサーで切り返すというとっておきのドラゴンスクリュー対策を何度も披露。
 武藤もミサイルキックを放った真田に対して、横から真田の右ヒザ目がけてドロップキック。これで右ヒザに大きなダメージを負ってしまった真田は、徹底的にヒザを攻撃してくる武藤に苦しめられつつもRKO、THIS IS IT、ラウンディングボディープレスと得意技で畳みかける。

右ヒザ殺しから足4の字固めでフィニッシュ

右ヒザ殺しからの必殺足4の字固めでフィニッシュ 【横田修平】

 だが、武藤はいつもとは逆回転のドラゴンスクリューを繰り出す。回す方向に自ら体を持っていって回転を防いでいた真田は、いきなり逆方向に回転させられ、対策が裏目に出てしまう。武藤は正調ドラゴンスクリュー、シャイニング・ウィザードで勝負に出たが、真田は意地を見せてカウント2で返す。
 ならばと武藤も奥の手であるムーンサルトプレスを投下したが、これもカウント2で返した真田。しかし武藤は再び逆回転のドラゴンスクリューから正調ドラゴンスクリューと決めると、足4の字固めに捉える。散々右ヒザを痛めつけられていた真田は、ここで無念のギブアップ。真田はまたしても時代を変えることができなかった。

 試合後、征矢学が現れて武藤に挑戦表明したが、「ちょっと保留。考えておく」と即答を避けた武藤は「たぶんこのベルトを中心に動くと思いますので、また来年もよろしくお願いします!」とあいさつして2014年のWRESTLE-1を締めくくった。

チーム246がデスペラードを下しタッグV2

デスペラードを下しタッグ王座V2に成功したチーム246 【横田修平】

 また、セミファイナルではカズ・ハヤシ&近藤修司の“チーム246”が保持するWRESTLE-1タッグチャンピオンシップに、河野真幸&TAJIRIの“デスペラード”が挑戦。この日、黒潮“イケメン”二郎を勧誘していたデスペラードに対し「俺はもっと次のステージ、上にあがりたい!」と訴えて黒潮に決別のイス攻撃を見舞ってデスペラード入りした土肥孝司が早速セコンドにつく。
 さらに土肥は場外からカズの足をすくって倒し、場外に引きずり出す。これをキッカケに両陣営のセコンドも巻き込んでの大乱闘に。さらにTAJIRIのグリーンミストがレフェリーに誤爆すると、デスペラードは緩めたロープを近藤に巻き付けて拘束すると、イスの山を築いてカズを叩き付けようとする。

 だが、カズがどうにか踏ん張り、逆にTAJIRIをイスの山に叩き付けると、246は反撃開始。イスやテーブル、さらにラダーやセコンドの乱入など大荒れのタイトルマッチになったが、試合前「この試合のキーポイントは稲葉」と語っていた河野の予言通り、稲葉がラダーを投げて246のピンチを救うと、そのラダーの上に登ったカズがTAJIRIにダイビング・ボディプレスを投下して3カウント。
 タッグ王座を防衛した246は一緒に闘ったセコンドたちと一緒に勝ち名乗りを受けた。そこにこの日シングルマッチで対戦したあと、握手をして互いのライバル関係を認め合った中之上靖文と児玉裕輔が現れて246に挑戦表明。しかし観客から「まだ早い!」という声が多く飛ぶと、246もニヤリと笑って引き上げてしまった。

ZERO1鈴木の挑発に船木がぶち切れ

試合そっちのけで大乱闘を演じた船木とZERO1の鈴木 【横田修平】

 今年11月に新宿FACEで3日間に渡って行われたWRESTLE−1とZERO1の対抗戦『KASSEN』。そのスペシャルタッグマッチとして、ZERO1から田中将斗と鈴木秀樹が乗り込んできて船木誠勝&KAIと対戦。
 カール・ゴッチの弟子でもある船木とビル・ロビンソンの弟子である鈴木の対決に注目が集まったが、試合開始直後から挑発気味だった鈴木は、船木を胴絞めスリーパーに捉えていくと、船木がロープにエスケープしてもなかなか離さない。この行為に怒った船木は、鈴木を場外に蹴り出すと場外でスリーパーを絞め続け、何と両者リングアウトに終わってしまう。

 当然、観客も選手も納得いかず、そのまま延長戦に雪崩れ込んだのだが、再び場外戦になると両者がイスを手にリングに戻ってきて殴り合いに。まったく収集がつかなくなり、わずか2分11秒で無効試合に終わったのだが、鈴木は止めようとする田中をも突き飛ばして険悪なムードになると、憮然とした表情で引き上げていった船木に向かって「おい船木! 俺がうらやましいんだろう? なあ? 俺とやって楽しいだろう? 何でか教えてやろうか? 聞きたくもねぇこと言ってやろうか。みんな、お前に気遣ってんだ! 俺は気は遣わねぇんだ、バカ野郎!」と挑発的な言葉を吐き捨てた。
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