睡眠博士に聞く 眠りとカラダの深い関係(後編)

カラダにいい100のこと。

【カラダにいい100のこと。】

――昼寝がよいと聞きますが、本当ですか?

「お昼寝はオススメです! ポイントは長さ・姿勢・タイミングの3つ。まず、長さは15分〜20分程度の短い時間であること。個人差がありますが、人は約90分の周期で、深い眠りと浅い眠りを繰り返すと言われています。15分程度の眠りだったら、脳を少し休めたところで起きられます。これ以上長くなってしまうと、深い眠りに入ってしまいます。そうすると、起きるのがつらくなり、起きたあと頭がぼーっとしてしまい逆効果。
姿勢は、椅子に座った姿勢で机の上にうつぶせる形がいいですね。横になってしまうと、疲れが溜まっている人は一気に深い眠りに落ちやすくなるので気をつけましょう。お昼寝は、夜の睡眠を邪魔しないように、できるだけ早い時間に。あまり寝る環境を整えすぎず、深く眠らないことが重要です」
――寝るときの服装や枕で、眠りの質は変わりますか?

「体を締め付けすぎない服装というのが大切になります。たまに、ジャージやスポーツウェアで寝ているという人がいますが、スポーツ用のものは縫い目がしっかりしているので、体を締め付けている可能性があります。なるべくゆったりとしたもので、汗を吸うものにしましょう。寒いからといって、モコモコのフリース素材のものだと、暑すぎたり、寝具との摩擦で寝返りがうちにくかったりすることも。

 枕は、体型によって人それぞれなので、高さや低さ、硬さなど「これがいい」とは言えません。ロフテーでは、首のカーブの深さを計測し、体に合う高さの枕選びのアドバイスをします。そのうえで、硬いもの、柔らかいものなど十数種類もある中から好みに合う素材を見つけていただけます。枕を変えただけで、体の不調が治ったという方もいます。自分に合うもの、好みを知る事は、良い眠りへの第一歩です」

 人間は一日の3分の1は眠っています。この時間を快適に過ごすかどうかが、人生の質を決めるといっても過言ではありません。この機会に、自分の睡眠環境について見直してみませんか?

(イラスト/榊原ミドリコ、文章/宮原未来)

■矢部亜由美 やべ・あゆみ
<ロフテー株式会社>の快眠スタジオという部署にて、睡眠改善インストラクターとして活動中。「眠り」についての講演会を行うなど、質のよい眠りの重要性を伝えている。

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雑誌『BRUTUS』が編集するオンラインメディアです。現代を生きる人々の生活の中に、美と健康とカラタづくりのヒントをお届けしていきます。

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