東洋大・酒井監督「勇馬に期待したい」 箱根連覇へ、設楽の穴は総合力で埋める

構成:スポーツナビ

酒井監督「勇馬はすごく充実している」

主力区間での起用が期待される服部勇馬(左)と弾馬 【CSPark】

――三大駅伝の中で特に箱根に強さを発揮する、箱根に強いことについて監督自身どのように考えていますか?

酒井監督 初めは柏原竜二(富士通)の存在が大きかった。5区に絶対的な選手がいるという安心感がありました。初優勝から連覇し、そして3連覇がかかった時に早稲田大に三冠を達成されてしまい、悔しさが備わり、そこから新しい箱根の走り方・制し方をしっかりやっていこうと、攻めの走りを目指していこうと、今の走りにつながっているのかなと思います。
 後輩たちも優勝をしなくてはいけない、2位は敗北という感覚になっていますので、それがあるうちは崩れないのかと思います。ただ、自信を持つことと、慢心はまた違う。経験の無い子や自信の無い子は、経験者や今までの取り組みの伝統で、練習や本番での走り方などをしっかりと植え付けていきたいなと思います。

――服部兄弟に期待する事は?

酒井監督 特に弾馬(2年)より勇馬ですね。勇馬は昨年も主力でしたが、設楽兄弟や田口と比較すると、まだまだそこまでではなかった。現に2区で区間賞を取れていない(区間3位)。そう考えると今年は非常に力を付けてきました。熊日30キロロードレース(2月16日)で学生新(1時間28分52秒)を出したあと、前半戦はそこまで記録が出てないんですけども、状態が悪い中で入賞し、練習が途絶えてないんですね。その後、夏もしっかりとマラソンの下地となる練習もできて、いまは(来年の)東京マラソンに出るということも目標に掲げて、すごく充実している。前回の設楽のような優勝をグッと引き寄せたような走りを、今年は勇馬に期待したい。もちろん田口もそうですね。その2人が柱かなと思っています。それを支えるのが弾馬であったり高久(龍、4年)かなと思っています。

服部勇「総合優勝に導く走りをする」

――今大会は期待されていますが、どのような心境ですか?

服部勇 いつも通り。やはりどの駅伝でも緊張しますし、不安な部分もありますが、箱根に関してはメディアや世間の注目度が非常に高いので、そこでしっかりエースらしい走りをして、チームを総合優勝に導いていける走りをしていければと思います。

――陸上人生の中で初めて勝ったのが今年の箱根駅伝でしたが、自身の世界観は変わりましたか?

服部勇 箱根で勝ったから自信をつけるわけではなく、東京五輪が決まったことが大きかったです。マラソンでメダルを取るというのが、自分の最大の目標ではあるので、どういうビジョンであと5年を持っていくのかというのが自分の中で一番大事だと思っています。
 五輪でメダルを取りたいというのは、大学生なら誰でも夢を見ることですし、それを口にするのは誰でもできますけど、それを実現できるのは、ほんの一握りの人だけだと思います。東京(での開催)が決まって、具体的な目標を立てることができたのは、東京ならではのことだったのかなと思います。

――エースとして箱根に臨みますが、重圧を感じることはありますか?

服部勇 緊張や不安は無くなっています。エース(設楽兄弟)がいなくなったから自分に重圧がかかるかと言うと、確かに重圧の比重は昨年に比べればありますが、それは昨年から前提として考えてきましたので、(設楽兄弟が)いなくなったから走れなくなったと言われたくないですし、走れなくなったら、それはただ、啓太さん、悠太さんに走らされていただけになってしまうので、それは本当に嫌です。

――箱根ではおそらく2区を任されると思いますが、どのくらいのタイムを目標としてますか?

服部勇 67分10秒台が、自分の力量から妥当かなと。10〜20秒ですね。条件がそろえば、66分台も狙いたいですが、自分の今の力ではまだ厳しいのかなと思います。

服部弾「いなくなって弱くなったと言われたくない」

――箱根では、やってみたい、あるいは、チームの為にやらなければいけないと思っている区間はありますか?

服部弾 監督から言われた区間が一番良いと思うので、前半だったらチームの流れを作る走りを、後半だったらそこで勝負を決められる走りをしたいと思っています。

――毎シーズン、今年は誰々がいなくなった……と言われているが、それについてはどう思っていますか?

服部弾 いなくなって弱くなったと言われたくないですし、それが自分たちも一番悔しいので、言われないような走りを自分たちも心がけます。

(取材協力:大学総合スポーツサイト「CSPark」)

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