ラグビーW杯「成功の定義」とは何か? マーケティング部長が戦略を語る

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

「成功の定義」について主な回答

会場で行われた「成功の定義」に関するアンケートには、さまざまな回答が寄せられた 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 休憩を挟んで行われた第2部では、第1部の講義に関する質疑応答および、W杯の「成功の定義」に関するアンケートの集計結果を元に、議論を深めた。

「成功の定義」について、来場者の主な回答は下記の通り。

・ラグビーの裾野を拡大すること
・TOPリーグの観客数が倍になること
・主な試合が満員になる。すべての試合は8割以上埋まる
・19年以降、ラグビー文化、ラグビー人口が根付く
・ラグビーをしたい子どもたちが増えること
・全国で芝のグラウンドが整備されること
・地上波でラグビーの放送がされるようになること
・開催都市の人々がボランティアとして参加すること
・参加チームが気持ちよくプレーできること
・競技施設が日本の将来に役立つこと
・国民のほとんどがW杯が日本で開催されることを知っていること
・来日する選手・関係者らが喜んで大会を振り返ることができる
・一過性ではなく、ラグビーの良さが多くの人に伝わること
・ラグビーのイメージがより身近になること

 回答を受け、宮田氏は今後の大会コンセプトの作成や大会運営の参考にしたいとした。

日本中でスクラムを組んで盛り上げたい

――他競技との連携はないのか?

 できればやっていきたいです。現在、五輪・パラリンピックの組織委員会とは定期的な会合を設けております。運営や準備の段階でいろんなことを協力していきたいと考えています。ラグビーW杯と20年の東京五輪という国際的なスポーツ大会が2年続けて日本で行われるということは、スポーツだけではなく日本のいいところをアピールできる機会が続くということです。さまざまな形での連携を模索していきたいと思います。

――キャンプ地を招致する際に大事にしてほしいことは何か?

 キャンプ地の選定開始は16年の予定です。応募いただいた地域をピックアップして、組織委員会として推薦できる候補を絞り込む過程があります。最終的なキャンプ地は各国が視察をし、大会スケジュールに合わせて最適なキャンプ地を選ぶため、組織委員会としてできることはキャンプ地としてのスペックを満たす地域を推薦することだけになります。

――ボランティアの募集要項について決まっていることは?

 まだまったく決まっていません。15年のW杯イングランド大会や東京マラソンなどの事例などを参考にしています。組織委員会としては、17年ぐらいにボランティアの募集、トレーニング方法やシステムを東京五輪と連携して決めたいと考えています。

――チケットの販売戦略について詳しく教えてほしい。

 組織委員会としては黒字を目指しているわけではありません。日本がW杯を開催する意味としては、大会そのもので利益を出すこと以外にもたくさんあります。赤字を出すわけにはいきませんが、黒字ではなく、大会が盛り上がること、心に残る大会になることが組織委員会の願いですので、それを意識して考えていきます。

――日本がW杯を開催する意味は?

 単に試合が行われるだけではなく、その周辺で行われること。それに世界の人が参加して、世界の人がそれを見ることです。開催すること自体が、さまざまなステークホルダーに意義があるようにしたいと思います。

――見に行きたい、見に行ってよかったを作るには?

 見に行きたい、行ってよかったと思ってもらえる大会にすることが組織委員会の役割です。組織委員会は現在約20名程度でやっております。JRFU、政府・自治体と一緒になってやっていますが、最終的には日本中でスクラムを組んで、協力をして盛り上げていきたいと思います。

あなたにとってラグビーとは?

宮田氏は19年ラグビーW杯を情報発信の大きな機会と捉えている 【スポーツナビ】

 私は02年のサッカーW杯日韓大会の招致にも関わっていました。その時に、W杯の開催は“国益”だと言われました。今回のラグビーW杯も、東京五輪と比べて日本全国で開催されますし、地方の現状を考えると、情報発信の大きな機会になります。

 私にとってラグビーとは、若い頃は光輝いていたスポーツでしたし、憧れです。ただ、仕事としてやるのは、全国で開催される仕事をやれるからかもしれないですね。全国の人たちには、W杯を通じて地域の一体感を醸成することや、理解促進に役立ててもらいたいです。

協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会

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